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【考察】「きえないひとみ。」2部8曲目(16)を読み解く【その4】 2009.02.13[金]

動画&歌詞その1その2その3その4その5その6その7

【個人的考察つづき
あなたの答えを聴きたい。リンの問いかけにレンは?

その3までを読んでからご覧ください。


一転して暗がりの中から浮かび上がるレンの影。未だ表情を窺い知ることはできません。
曲調もがらりと変化しました。
リンの言葉を聞きたくないレン。耳をふさいだままのレン。

■「おしまい」
このレンパートでは、
「なぜ、リンに"赤の時代"の記憶を取り戻してもらいたかったか」が語られます。
「ぬすみはげどう?」の種明かし編とでも言いましょうか。

記憶を戻せば 君は歌うはず この世界終わらせる 絶望の歌』。
まずは言葉を補足してみます。
リンに"赤の時代"の記憶を戻せば、
リンはきっと『この世界』を『終わらせる』、『絶望の歌』を歌うはずだったのに。

"絶望の歌"=「おしまいだぜ!」説を編者は支持しています。
よって、レンはリンに「おしまいだぜ!」状態になってもらいたかったと推測できるでしょう。
さらに、"絶望の歌"は『この世界終わらせる』ことができるらしい、ということがわかります。
同時にミクが来ないと嘆く『おしまい』も、「この世界の『おしまい』」だということが言えますね。
この世界』="プーチンP世界"現実


■自分と世界
レンにとって現実とはつらく苦しいものでした。(→詳細:歴史は繰り返す
(※ネタばれ御免!反転します)
さらに、「なにもないもの。」でレンはミクに吐露しています。
俺はこの世界が よく分からないんだよ!
彼はうp主に疑惑の念を持っているように、
この"プーチンP世界"自体にも何か不信感のようなものを感じているのかもしれません。


"14歳"は、ただでさえ「自分と世界」というもののあり方に疑問を抱く年頃。
自分自身が何者なのか、そして世界とどう対峙していいのか悩み、傷つくことも多い。
しかも、"プーチンP世界"は彼の知らないところで彼や彼を取り巻く人々を操ろうとしている。
レンの無力感は非常に大きいのではないでしょうか。

そんな世界なんて、終わってしまえばいい。

レンがそう考えても、誰も彼を責められません。
彼にとっては『生きるだけで満足できる世界じゃない』のです。
"赤の時代"を知る前に持っていた「漠然とした不安」が、
"赤の時代"を知った後は「はっきりとした不安」に変化しました。
自分自身を変えることでしか世界は変わらないけれど、レンは"赤の時代"の記憶では変化できなかった。
だからこそ、「知った後」も薬や男に溺れて、現実逃避することでしか自分を保てなかったのです。

自分以外の人々も、一生懸命泣いたり笑ったりしているかけがえのない世界。
自分の愛する人々が、生きている場所。
本当はそれを理解するだけで世界は輝いて見えるはず。

ただ、世界をそんなふうにとらえることができるようになるまで、
レンはまだ少し時間がかかりそうです。

別の視点から言えば、リンはすでにその考えを会得していますね。
「なやみむようっ!!」で見せたある種の解放感。
"赤の時代"を知る前に持っていた「危うさ」が、
"赤の時代"を知った後は「芯の通った」自分自身への肯定に変化しました。
嫌いだった(2番手の/レンに振り向いてもらえない)自分自身に対して、
それでも『あたしは鏡音リン』と言いきっています。

また、レンが沈み込むのには、もう一つ理由がありました。


■魔術はささやく
ドナルドに騙された…希望は絶たれた

ドナルドに騙された』から、レンは沈み込んでいるのです。
ここで思い当たるのは、「みえないよるに。」のミクのセリフ。
君はレン(犬)に 近付いて たぶらかした...』ですね。
君=ドナルドですから、ちょうどこの場面のことを言っていると考えられます。
ドナルドは、レンをどのように『たぶらかした』のでしょうか。

※ここからは、「みえないよるに。」の考察と重複する部分があります。
また、根拠のない推論の積み重ねでもありますが、どうかご容赦ください。

ドナルドは、"絶望の歌"を歌わせる『道具』として生まれた。
だから、リンを精神的に追い込むということをしていた。
レンに"カバン"を盗ませたのも、(レンを「ドナルド状態」にしてリンを襲わせたのも)
全ては目的のため。

「お前の記憶はそこにある。彼女を倒し、カバンを奪え」

しかし、"カバン"に入っていたのはレンが望んだ「初期化前の記憶」ではなく、「"赤の時代"の記憶」だった。
結果、レンは沈み込み、手駒としては糸の切れた状態になってしまいます。
そしてリンは、ドナルドとの戦いに勝利。ドナルドは手だてを失います。

そして、2部。詳しくは以前の考察をご覧になっていただくことにします。
ただ、ミクとの出会いによって、
ドナルドが道具』であることに疑問を持つようになっていたことだけ記しておきます。
リンが"絶望の歌"を歌ってしまったら、この世界が終ってしまう。
ミクにも『おしまい』がきてしまう。

愛する人が生きていてくれるだけで、この世界はかけがえのないものだ。
レンが気付けなかったことに、ドナルドは気付いた。
道具』ではない自分自身を愛してくれたミクに消えてほしくない

レンが持っている記憶が、"赤の時代"の記憶だということはわかっている。
レンがこの世界に不満を持っていることも分かっている。
リンが「いっしょじゃない」で"赤の時代"の記憶を取り戻しつつあることもわかっている。
彼は信じました。自分がどう揺さぶってもくじけなかったリンの強さを。

レンにささやきました。リンが"絶望の歌"を歌えばこの世界におしまいが来ると。
「おまえは絶望しているんだろう。その記憶を彼女にも見せてやれ」
「この世界は嘘の世界なんだ。終わらせるべきなんだよ」

本当は、ドナルドが望んでいたのは逆のこと。
望みとは逆の言葉を用いて、レンを動かすドナルドはさながら魔術師ですね。
ただし、魔術師が望んでいたのは「まほう」が解けること。


■その先に何が見える?
一方、「まほう」が解けないことを望んでいたレン。
希望は絶たれた』と言っています。(=レンにとっての絶望)
レンもリンが「正常化」したこと、もう"絶望の歌"を歌うことはないことを知ったようです。
レンは『苦しい』世界から逃げることしか考えられない。
しかも、一緒に絶望してくれると思ったリンが、自分を置いて前を向いていしまった。
そしたら『一人で死ぬかな』。
これだけ見るとどこまでも自分本位ですが、リンのように強くなれることが稀で、
レンの心の動きのほうが自然なのかも知れませんね。

ちなみにここのフネさんの発言も、波平さんと同じく
レンにとっての「内なる大人」であり、自分を客観視する者として登場するだけだと編者は考えます。
要するに、レンが「多分フネさんだったらこう言うだろうなぁ」と考えているだけで、
実際に水道橋にフネさんがいるわけではないということです。

あとは、解釈の分かれる
対等でも俺は底辺』ですが、正直編者も意味を取りかねているところがあります。
恐らく、(リンと)『対等でも俺は底辺』だと思っています。
同じ「ボーカロイド」としてはリンと立場が『対等』かもしれないけれど、
トップアイドルのミクに迫る勢いの「2番手」であるリンに対して『俺は底辺』。
または、現在の立場はリンと同じ「ボーカロイド」かもしれないけれど、
過去をさかのぼってみれば、人と犬。
"絶望の歌"を歌う力もなく、さまざまな力に翻弄されるばかりの無力な自分。
生徒会長目指す』こともできなければ、学校も『サボりすぎ』。
さまざまな要素を見て、リンに比べて『俺は底辺』だと言っているのでしょう。

そんなことはただの決めつけにすぎないのに。


■だから諦めないで…
不安と絶望を吐露したレン。そんなレンの目を覚まさせるような言葉が飛び込んできます。

何エコエコ言ってるの?
エコエコ』とは、動画上に「ロシア語で"くり返し"という意味らしい」とコメントがありましたが
引用として参考となるサイトを見つけることができませんでした…。
大ざっぱに解釈すると、「何一人でブツブツ言っているのよ?」といった感じでしょうか。

さて、レンパートはリンの『答え聴かせてよ』を受けての葛藤でしたね。
思わぬ問いかけに、自分の中の『答え』は見つからず、ただただ困惑するレン。
リンはレンに言葉を投げかけます。

あたしだけ見てればいい
いい? あたし約束したわよね
「あたしが何とかしてやるわ」


ここで涙腺が決壊した方も多いのでは?
「あたしが何とかしてやるわ」といえばそう、「ゆめをみようよ。」でしたね。
1部3曲目、リンもまだ薬物に溺れていたとき。
あの言葉は、レンだけでなくリンの中にも残っていた「約束」だったようです。

自身が揺らいでいるならば、あたしを寄る辺とすればいい。
あたしだけを見て。あたしを信じて。
あの時約束した言葉、覚えている?

「あたしが何とかしてやるわ」



続きます≫その5

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