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【考察】「きえないひとみ。」2部8曲目(16)を読み解く【その7】 2009.02.20[金]

動画&歌詞その1その2その3その4その5その6その7

【個人的考察つづき
ミクにとって当たり前だった「一番」。ずっと守り続けていた「一番」。
それが、彼女にとって何の価値もなくなってしまった。
手のひらからこぼれおちていくモノたちを見つめながら、彼女は何を思うのでしょうか。

その6までを読んでからご覧ください。


■へルター・スケルター
一番なんかくれてやんよ!
これこそが、2部までのミクのもっとも重要なキーワードであると考えます。
リンとミクの関係性であった「1番2番」を手ばなしたのはもちろん注目すべき点です。
しかし、ミクそのものが『一番』に強いこだわりを持っていたことがここでわかります。
前項でも述べましたが(→参考:覆水盆に返らず)、
高飛車でわがまま。何を考えているかわからない。とりあえず、ぶっ飛びたいの!
というキャラは、ミクの本来の性格ではないのではないかと編者は推測しています。
またあえたら☆」、「きえないひとみ。」ですでにアイドルの自分に疑問を抱いていること、
また、ドナルドを失って『アイドル辞める』と述べていることからも
アイドルは以前から「性に合わない」仕事だという認識があったのと考えられます。

しかし、「トップアイドル」になり、その座を保持し続けるのはいやいやながらできるものではないでしょう。
むしろ「一番になりたい!」と野望を燃やす、バイタリティを持ったリンのほうが似合うくらい。
となると見えてくるのは、ミクが「努力の人」だということです。
一人は 苦しい』から、みんなに振り向いてもらえるようにアイドルになった。
努力して、登りつめれば多くの人に愛されると考えた。
やっとの思いで頂上に着いた時、彼女が見た景色はどんなものだったのでしょうか。

ドナルドの消失は、
ぎりぎりまで引き絞られた弓から矢が放たれるきっかけを作っただけなのかもしれません。

ミクのパーソナリティについては、後でまとめて考察したいと思います。
(→【コラム】"プーチンP世界"に溺れる子供たち

■水の中の小さな太陽
ミクパートで一貫しているのが、「独白スタイル」です。
これは会話でもなく、ただただミクが中空に向かって話しているような空虚さを感じます。
ドナルドに話しかけているような描写もありますが、すでにいなくなったこと前提の語り口です。
(この辺り、同じ独白でも「なやみむようっ!!」のリンとは大きな違いですね。)

リフレインしている『みえないよるに きえないひとみ』は、前作と今作のタイトルです。
みえないよる』は、ドナルドが見えない、いない夜のこと。(ミクサイド)
きえないひとみ』は、恐らく『まだ 君の瞳は 輝けるはずさ』とリンが歌った、レンの瞳
レンがリンの気持ちを受け止め、"太陽の下に出る"こと(リンサイド)を述べています。

よって、『みえないよるに きえないひとみ』は
それぞれ、ミクドナルドリンレンを象徴していると考えられます。
消えてしまったドナルドと、消えなかったレン。その対になるミクとリン。
2曲のサムネイルの構図も、2組のカップルが鏡合わせのように置かれています。
"絶望の歌"を歌う"ゲーム"がこの2組を隔てる鏡であり、
リンの『二人でサンデー』が叶えば、ミクはおちるしかなかったのでしょう。

さて、ミクの独白は続きます。
ドナルドはもう私じゃ見えない、それならいっそのこと『何も見えない 方がマシなのにね』。
どうしたら君が見えるだろうか、君に逢えるだろうか。
ぶっ飛び方が足りないのだろうか。もっとポテトを食べれば…。

クスリで夢を見る』と、今までよりずっと直接的な表現をしています。
ドナルドが幻覚の世界に住人ならば、自分が幻覚を見ればもしかしたら逢えるかもしれない。
そのために、『つけ麺も食べない』。

まほうはじゃどう」では、『つけめんガチ ダブル(二倍)で食べる』というほどの"大好物"
つけ麺』は、以前述べたとおりガンジャの隠語だと考えますので、「ガンジャはやらない」と宣言しているという意味に取ることができます。
(→参考:耽溺する子供たち(ミク編)
そのかわり、ミクが求めたのは『ポテト テリヤキバーガー!』。
(動画では、このフレーズで空容器がどんどん増殖しています)
"ポテト"はケミカル系の薬物だというお話を以前しましたね。
"ポテト"に限らず、mマークのメニューたちは、すべて薬物(ケミカル系)の隠語です。
(→参考:ご一緒にポテトはいかがですか?
しかも『ポテト』と『テリヤキバーガー』を比較すると、後者のほうが格段にボリュームが「重い」。
この表現は「もっと効き目の強い薬物を使いたい」と表現しているといえます。

二つをまとめると、
遊びでやっていたガンジャはもうやめ、ドナルドに会える可能性のあるケミカル系のクスリをしたい。
頭のいいミクのこと、今までは手を出していた薬物もガンジャや"ポテト"(具体的には何を指しているんでしょうか?)までに「抑えて」いたのでしょう。
(ガンジャもすでに十分危ない橋だとは思いますが…)
しかし、足もとに散らばるポテトの残骸を見てもわかるとおり、ミクはやりすぎてしまった。
一つ一つは軽いものだとしても、「普通の世界」へ戻ってくるのに向こう岸は遠くなってしまった。
幻覚の世界に迷い込んでしまって『私はもう戻れない』。
それなら、もっと高く飛びたい。君に逢えるまで高く、高く飛びたい。
今まで怖くて使えなかった『テリヤキバーガー』も食べてしまおう。あなたに会いたいの…。



■パラダイスを探して
クスリで夢を見る 気持ちいいわ★』のときに、ミクの足元の水面が大きく揺らぎます。
あの瞬間、ミクの影の隣にもうひとつの影が映し出されます。
見覚えのある赤白の縞模様。そう、ドナルドの足元です。
ミクは、ただむやみに『クスリ』をしていたわけではなく、
そんなドナルドの「切れ端」を探すうち、"ポテト"を食べ過ぎて、『もう戻れない』幻覚の世界に迷い込んでしまったのでしょう。

水辺に登場する阿部さんと田代は、同じく「幻覚の世界」の迷子ではないかと編者は推測します。
あの阿部さんが、今まで登場していたどの阿部さんなのかは何とも言えないところです。
(→参考:阿部さんの復活!?
もしかしたら、「けっせんとうじつ!」でリンに蜂の巣にされた阿部さんなのかもしれません。
田代は…むずかしいところですが、同じく迷子になってしまったのでしょう。

彼岸の住人。こちら側に「帰ってこないと決めてしまった」人々が
ミクの他にも存在することを示しているのでしょうか。

編者が定義する「幻覚の世界」は、基本的に「薬物でトリップした時に見える世界」ですが、
それはただの入口。その先に天国があるのか地獄がつながっているのかはわかりません。
死者を見ることも、自分が神になることもできるのかもしれません。


■エンド・オブ・ザ・ワールド
ポテト』や『テリヤキバーガー』をたらふく食べたミク。
場面は暗い水辺から一転、明るく視界の開けた世界に変化します。
広い田園風景に、青いセスナが飛んでいます。
(ちなみにセスナ機は、セスナ社の172RGをモデルにしているようです)

もっともっと高く飛びたいと願ったミクは、とうとう『セスナに乗って』しまいました。
もちろん『セスナ』は比喩表現です。
ぶっ飛びたい』は、薬物によるトリップを指していました。
薬物を摂取すればするほど高く飛べるのかもしれませんが、
そこから降りてくる(正気に戻る、現実の世界に戻る)のにリスクを伴うでしょう。
セスナ』で飛ぶ、ということは、
地面も見える』ほど、非常に高く飛んでいる(トリップしている)ことです。
自分の力では降りてこられないほどに。

さらに『セスナに乗って 飛んでる私』というセリフは、『飛んでる私』を第三者的な目で見ているミクがいることを示してます。
まさしく、現実の世界で物理的に飛んでいないことの証拠になるでしょう。
と同時に、自分の行動と心理が乖離している感覚をミクが持っていることもあらわしています。
また、『揺れる』セスナはミクの運命でしょうか。
リンの『激しく揺れ』ていた『未来のレール』と対になるものだと考えてよさそうです。

高く高く飛んだミクは、そこで愛しい人を見つけます。
地面から手を振るドナルドです。
セスナからドナルドを見下ろすミクは、力のない微笑みをしています。
(ミク、目の焦点があってない!というコメもありましたね)
彼は見えたけれど、遠い遠い地面にいるのね。
でも、私の力じゃもう降りられないの。


皆さんお気づきだとは思いますが、ちょうど『セスナに乗って 飛んでる私』からのメロディは
ゆめをみようよ。」と同じですね。


メルトを聴いて 溶けてしまいそう
あたしは逢えない ロシアは遠い
電話が来たわ! どれくらい買える?


"Pi":着信音SE
"もしもし、ドナルドです。"
"んー、ハンバーガーが4個分くらいかな"

ララララ☆ハッピー☆
ララララ☆ハッピー☆
ララララ☆ハッピー☆
まだ止められない!


セスナに乗って 飛んでる私
激しく揺れる 地面も見える
君が見えるの 私の好きな人

あいしてる♥
あいしてる♥


ララララ ハッピー★
ララララ ハッピー★
ララララ ハッピー★
もう止められない



ゆめをみようよ。」の売人ドナルドとの電話やり取りのシーンで、
きえないひとみ。」は実際にドナルドが登場するといった意匠が凝らされています。

ここで注目すべき点は、『まだ』と『もう』。
リンは「ゆめをみようよ。」の時点から、ガンジャを断ち切る決意を持っていました。
また、支えるべきレンに『あたしが何とかしてやるわ!』と啖呵も切っていました。
だから『ララララ☆ハッピー☆』状態になりながらも言葉は『まだ止められない!』。
しかし、ミクは自分ではどうにもならないところまで薬物にはまり込んでしまった。
そして、支えるべきドナルドは存在しない。
だから『ララララ ハッピー★』状態は『もう止められない』のです。

セスナに乗ったシーンは粉々に砕け、またドナルドは遠く離れてしまいました。
後に残ったのは、暗い孤独な水辺だけ。
だんだんと音は減っていき、残ったのはミクパート冒頭から続いていた
"カチカチ"とやけに響く音と、"シュボッ"という音。
"シュボッ"という音が薬物を使用している音だとしたら、"カチカチ"という音は時計の音。
ミクの"ゲーム"が終わるタイムリミット。

あいしてる♥
ミクは歌い続けます。


リンとレンの「ハッピーエンド」の向こう側で、ミクの小さな「世界」が終焉を迎えました。




きえないひとみ。」の考察はいかがでしたでしょうか。
最終回ということで、謎や暗号ではない「まっすぐ」な歌詞が多くて逆に苦労してしまいました。
しかも動画から得られる情報も多く、ちゃんと網羅できていない気がしますorz
大変長くなって申し訳ありませんでした。

まだ残っている2部「もんどうむようっ!」と1部「おしまいだぜ!」は
コラムを挟んでから考察を行いたいと思います。
次はそんなに長くならない予定です…。

ここまでお付き合いいただきありがとうございました!


≫「おしまいだぜ!」(動画&歌詞)

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COMMENTS

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2010-03-30 火 13:22:15 | | # [ 編集 ]

>グータラ様

こんばんは。ご質問ありがとうございます。
お返事が遅くなって申し訳ありません。

編者の知る限りでは、
「意図したものではなく、単なるミス」だときいています。
up当時はそのあたりの話もブログなどでされていたようですが、
1年以上たちますので、ご存じないのも無理はないかと思います。
こんな感じで大丈夫でしょうか?
2010-04-06 火 23:10:23 | URL | 編者 #- [ 編集 ]

そうだったのですか!?

ありがとうございました><

2010-04-08 木 14:08:36 | URL | グータラ #- [ 編集 ]

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