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【考察】番外編・「おそろしあ☆」を読み解く【その2】 2010.11.11[木]
「おそろしあ☆」 動画&歌詞≫その1≫その2【個人的考察】
以下、3部のネタばれを含む表現が多く出てきます。
3部作品をすべて聴いてからご覧ください。
ルカの仕事をひも解きます。
前回の「ろしあんらすとえんぺらー!」では、ルカの人物像を読み解いてみました。
今回の「おそろしあ☆」では、彼女の行っている「仕事」と「本編との関係性」を考察していきたいと思います。
どうぞお付き合いください。
最初に申し上げておきますと、便宜上"仕事"という表現を使っているだけなんです。
彼女が日常的に行っているらしいこと、彼女が所属しているらしい団体、その中にいるらしい『あなた』
あくまで推測の積み重ねでしかありません。
我々が作品を通して得られる彼女の情報は、極端に少ない。
しかも、プーチンP作品を貫く「断片性」がさらに混乱を生んでいます。
ここでは、ルカが「何らかの組織に所属して、日常的に行っていること」を仕事と定義します。
■おさらい
まずは、「ろしあんらすとえんぺらー!」で垣間見えたルカ女史の"仕事"を挙げてみますね。
編者の解釈込みでまとめていますので、事実関係が異なる部分もあるかもしれません。ご了承ください。
「ろしあんらすとえんぺらー!」での"仕事ぶり"
- ロシアで仕事をしている
- 『あなた』の愛人であり、かつ、その下で働く部下である
- 何らかの組織に属している
- 組織では、自白剤や毒物などの薬物を日常的に使用している
一歩考察を進めてみましょう。
彼女はある組織に属している。その組織での地位は恐らく高い。
(根拠:他人に対する命令形のセリフが多い)
なぜなら、薬物を取り扱う専門家のような位置づけであり、組織で高い地位にある『あなた』の愛人だから。
(根拠:一つの曲に薬物の描写が複数出てくる、『あなた』のために働くという描写がある)
「ろしあんらすとえんぺらー!」から読み取れるのはこんなところでしょうか。
何やらきな臭い"組織"ですね。ただ、どこかで聞いたことのあるような…?
■"仕事"
「おそろしあ☆」では、さらに彼女の"仕事"に迫っていくことにしましょう。
登場するのは『子供達』。少し長めに引用します。
子供達 かわいそうに
少しだけ 楽にね!
してあげる 手を出して! 痛くないの大丈夫^^
それよりも怖い事 あなた達はするのよ?
ルカが子供達に手を出させて、何かをしている描写ですね。
何をしているのでしょうか?これまでの手がかりを総合します。
- ルカは、組織で薬物を取り扱う専門家のような立場
- 「おそろしあ☆」は、病院をテーマにしたコンピCD「アヒルホスピタル」に収録。サブテーマは「処置室」
- 彼女が存在するのは、過去・ロシア編
- 「おそろしあ☆」は、プーチンPシリーズの本編に関係のあるエピソード
- ルカの設定画にある、白衣と軍服の文字 →リンク:しゅら@in「ルカ設定画」
本編からもヒントを出してみましょうか。(→詳細:赤いリンと"赤の時代")
- リンはボーカロイドになる前、人間の「赤いリン」としてロシアにいた(なやみむようっ!!)
- 赤いリンは、敵を壊す仕事をしていた(いっしょじゃない)
- 赤いリンには身寄りがなく、何らかの組織に属していた(なやみむようっ!!)
- 1部のリンはガンジャをしていた。これは、「赤いリン」に薬物の仕様経験があったため?(考察)
まとめると、「ルカは、敵を壊す仕事をしている子供達に、薬物を投与している」という場面になるかと思います。
見えてくるのは、赤いリンとルカの接点。
『子供達』は、赤いリンたちではないでしょうか。
■接点
二人をつなぐのは、"組織"の"仕事"です。
赤いリンは組織に属し、敵を壊す仕事をしていました。
ルカは、赤いリンのような子供達に薬物を投与して、仕事をさせていました。
『それ』が薬物の注射と考えると、『それよりも怖い事』は敵を壊すということ。
そして、何度も出ている『敵を壊す』という表現に今一度着目してください。
赤いリンは人間の少女です。武器を持って敵と戦っていました。
『壊す』ということは、殺すということですよね。でも、その表現は使っていない。
これを子供ならではの表現と取るか、大人からすりこまれた表現と取るか。
終わり!さぁ行くのよ!☆
全て壊してきな! 怖くないでしょ?
もしかしたら赤いリンは、ルカのこの表現を真似したのかもしれないですよね。
(語彙の少ない)子供が、(罪悪感を持つ)大人からすりこまれた表現だとしたら。
そう、「おそろしあ☆」で透けて見えるのは、ルカの罪悪感です。
殺すではなく、『壊す』という言葉で子供たちを働かせ、
薬物を投与することで、子供達の恐怖感と思考力を奪う。
『こころ潰していくの! 考えないでいいの!』 『余計な理解は 必要ないのよ☆』
この行動は彼女なりの優しさだと考えている。 『かわいそうに』
だって、こころがあったら殺人なんて耐えられないでしょ?
『あたしは優しいのよ?』
こころを奪うことで、私はあなたたちを救っているのよ。
けれども、自分が正しいことをしているとは思っていない。悪人になりきれない。
薬物を投与した子供達の『輝かないその瞳 少しだけ苦しい...』
『いつか本当に救ってあげたいわ』と、子供達に対して思っている。
しかし、彼女はその仕事を放棄してはいません。
『でもできないことよ あたしも同じなの...』
■続・境遇
何が『あたしも同じ』なのでしょうか?子供達とルカの共通点を探ります。
答えは直後にあります。
まわる まわる くらくらするの
あはは あはは けけけ あひゃひゃひゃ
きえる みえる さいごはさそう
かなし わらい だれもわからず
明らかにトリップしています。
子供達とルカの共通点=薬物依存者、と編者は考えます。
「ろしあんらすとえんぺらー!」で見せた、躁鬱の波、破滅的な言動、酒を浴びるように飲む描写も、
彼女が自ら薬物を使用していたと考えると、合点がいくと思います。
彼女自身も薬物という鎖につながれた被害者なのです。
薬物の影響は大きく、抜け出すのは一筋縄ではいきません。
また、赤いリンに(恐らく)身寄りがなかったことを考えると、
そのような孤児が"仕事"を辞めて生計を立てることは難しいでしょう。
薬物と組織から足を洗うのは、命がけの行動になってしまうと思います。
組織に属することが、まさに『生きる術なの☆』ですよね。
また彼女には、薬物のほかにもうひとつの鎖があります。
それは、『あなた』。
組織の高い位置にいて、ルカを使役している存在です。
ヒエラルキーとしては、子供達<<ルカ<<『あなた』になるでしょうね。
敵を壊す仕事をする子供達の心を潰す仕事をするルカを思いのままに操る『あなた』。
『あなた』との『愛に溺れ』、罪悪感を持ちながら子供に薬物を投与する。
愛と罪の意識との板挟み生活に、ルカは疲れてしまったのかもしれません。
■続・補足
最後は少し広い視点で、「おそろしあ☆」を考えます。
テーマは、「言葉」。
「おそろしあ☆」は、本編とも関係のあるキーワードをうまく配置した作品なんです。
ほとんどは先に紹介したとおりですが、本編との比較をさせてください。
- 輝かないその瞳
→まだ 君の瞳は 輝けるはずさ (きえないひとみ。)
自ら薬物を断ちきり、正常化したリンがレンに投げかけたセリフ。
子供達に薬物を投与し、輝かない瞳を嘆くルカ。 - 全て壊してきな!
→全ての敵を壊してた (いっしょじゃない)
リンが赤いリンである過去を思いだしたときのセリフ。
全てを壊すリンと、すべてを壊すことを命じるルカ。 - こころ潰していくの!
→「こころ」までは読めないはずよ (おしまいだぜ!)
こころを隠すリン(のようなもの)と、こころを潰すルカ。
「こころ」はいたるところで登場していますね。プーチンPシリーズの根幹をなすキーワードです。 - 未来は誰が決めるものなのだろう? 頼りない神にすがるだけなの?
→未来は アタシの 奴隷よ! (さくらのしたで☆)
→未来は変えられるの (なやみむようっ!!)
ここは対比が面白い部分です。
リンは未来を切り開く言動をしているのに対して、ルカは神頼みをつぶやいています。 - おそろしあ☆
ここは対比というより、まあダジャレの部分です。
いかに本編との関係が深いかということが、言葉の面からもよくわかりますね。
ルカの仕事と、赤いリンとの接点。
そして彼女に巣くう罪悪感をご理解いただけたでしょうか。
「ろしあんらすとえんぺらー!」「おそろしあ☆」で描かれるルカは、どこか諦めたような"大人"でした。
そんな彼女が、本編でどのように行動していくのでしょうか。
彼女の未来は、リンたちの今です。
次回、過去と現在をつなぐルカ編、3部「ねむりたいのに!」考察をお楽しみに。
≫「ねむりたいのに!」(動画&歌詞)
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