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【考察】「ねむりたいのに!」3部4曲目(21) を読み解く【その3】 2010.11.22[月]

動画&歌詞その1その2その3その4

【個人的考察】続き
ルカが眠れなくなった理由。
それは、「黄色いスカーフ事件」にありました。

その2までを読んでからご覧ください。

前回述べたのは、
「黄色いスカーフ事件」は、ルカの目の前で起きた。
赤いリンは同胞を撃ち殺し、彼女のいるまさにその場所で自殺した。
ルカは、それをきっかけに「ある行動」に出ることにした。
という解釈でした。(→参考:黄色いスカーフ事件とは

赤いリンと彼女とはは少なからず接点があり、何度も顔を合わせていたようです。
「黄色いスカーフ事件」が赤いリンの日本行き(?)の道程で起こったとしたら、
そこに参加しているということは、
ルカは赤いリンたちが所属する部隊の上官だった可能性もあります。

今回は、「黄色いスカーフ事件」から、ある行動を起こすまでのルカの「心の動き」について解釈していきます。
通常やっている歌詞の分析とは、異なる進め方をするつもりです。
あくまで、編者の解釈(妄想分高め)ということでご覧いただけたらと思います。


■眠れぬ夜に
彼女は、子供たちが互いを殺し合う「黄色いスカーフ事件」に居合わせました。
凄惨で痛ましい事件を目の当たりにしてから、彼女は眠れなくなります。
(しかし、本当の「眠れない理由」は、実は別のところにあります
すべてを忘れ、ハイになれるはずのアルコールも水のように感じられて、効き目が全くありません。
眠れぬ夜に、ルカは一人考えます。
どうして眠れないのだろう?どうしたら眠れるようになれるのだろう?


■「どうして?」
その理由は、彼女の罪(の意識)を、これ以上ない形で突きつけられたこと。

彼女はもともと、自分の仕事に罪悪感を持っていました。
子供たちに関わる部分は特にです。
年端も行かぬ子供に、人殺しをさせる。そのために薬物を投与する。
普通に考えたら、間違ったことだらけです。
でも、ルカにはそれを糾弾する力はありませんでした。
自分自身も組織に属している身、さらに『あなた』の存在があったのですから。
では彼女はどうしたのか?

彼女がしたのは、「自己欺瞞」です。簡単に言えば、自分で自分をだますこと。
 気持ちをコントロール☆ こころ寝かせて
 救ってるはずだった 見ないフリしてた

子供たちに薬物を投与するのも、恐怖感を取り除くため。
こころ(本来子供たちが持っているべき純真な人格)を寝かせ、
薬物で高揚した(自分であって自分でないような)人格を新たに与えているのだと
無理矢理正当化しています。
けれども、救っているはずの「こころ」を完全に「寝かせる」ことはできません
いい例が、2部「いっしょじゃない」のリンパート(過去は消えずに巣鴨… )です。
どんな方法を使っても、完全に記憶を消すことはできないのです。

欺瞞と言えば、『あたしは優しいのよ? あなた達と話してる』というセリフ。
子供たちを使い捨てのモノのように扱っている、他の組織の人間(同志たち)に比べれば
自分自身はまとも
なんだ、と考えているからこその言動ではないでしょうか。
私は、子供たちに直接話しかけている。
腐った大人たちと私は違う。
彼らを人間として扱っているわ。『あたしは優しいのよ?


せめてもの罪滅ぼしの行為(これは、「こころにこえを。」で明かされるあの行為です)も、
子供たちを救っているという自負の根拠にもなったのでしょうね。
(実際、このような組織が子供を使うのは、子供であるという特殊性を利用しているわけではありません。
「子供を戦争の道具として使う」という非人道的な行為で、世論の非難を浴びるというリスクよりも
「コストをかけずに兵士として使役できる」「取り換えのきくパーツ」「洗脳しやすい」という
メリットを取っているにすぎません。
紛争の激しい地域では、兵士になりうる子供はあふれかえるほど存在するのです)

そのように、子供たちを欺き、自らも欺いて行ってきた組織の仕事。
寝かせて』いたのは、もしかしたらルカ自身の『こころ』でもあったのかもしれません。
しかし、「黄色いスカーフ事件」の勃発によって、自身の寝かせていたこころは目覚めざるをえなくなります。


■「私がやっていたことは、何だったのだろう?」
自らが率いていた子供たちが、殺し合いをする。
ルカの行っていた薬物の投与が、要因の一つになっていたことは想像に難くありません。
寝かせていた子供たちのこころには、良心・罪悪感・共感する力・人を思いやる気持ち…
そのようなものが含まれていたと思います。
もし、そのような感覚が彼らにあったのならば、「黄色いスカーフ事件」は起こらなかったのだと
ルカは考えたことでしょう。

犬が悪戯(スカーフを奪う)をしても、
仲間がかわいがっていることを理解していたら、撃ち殺したりはしないでしょう。
それを笑い、囃したてたりはしないでしょう。
それに逆上して、仲間に銃を乱射したりはしないでしょう。
あまつさえ、そのあと自分で命を絶つなんていうことは。

赤いリンたちに投与されていたのは、一種の興奮剤のようなものだったと考えられます。
恐怖感は取り除くことができますが、その分攻撃的・暴力的になりやすいという側面もあります。
良心を奪い、残虐性を植え付け、人殺しの"ハードル"を下げること。

そもそも、良心や共感する心は先達者に教えられ育まれるものです。
社会常識だって、勝手に身に付くものではないでしょう?教えられなければ、分からないのは当たり前。
彼らが教わったのは、銃の扱い方や人の憎み方、『プーチン(が象徴する人物)』への盲目的な崇拝。暴力。
きっとそれだけ。

敵を壊す行為に特化した子供たちを「作った」のは、一体誰だったのでしょう?


■「あれを許したことが間違いだったのだろうか?」
ここからは推測です。
ルカは、比較的子供たちに甘かったのかもしれません。
恐らく彼女は、赤いリンが犬を飼っていることを黙認していたのでしょう。
犬を飼うことは、本来であれば許される行為ではないと編者は考えます。

なぜならば、争いにおいて"使い捨てパーツ"である子どもたちは、
死を恐れぬ、冷酷無比な兵器」としてのみ生かされているからです。
(自我が未発達ゆえに、自らの行為が何をもたらすのか分からない。だからこそどんなひどい命令にも従える)
そうしてしか生きられないように育てられているからです。

そんな彼らが、生き物を飼い慈しむことを知ったらどうなると思いますか?
自分よりも小さい命。自分がいなくなったら生きていけなくなってしまう命。
そう、「いつ死んでもかまわない」という決意(それを洗脳と呼ぶ人もいるかもしれません)が揺らいでしまいますよね。
また、命を尊ぶことを通じて、自分ひいては敵の存在のとらえかたが変わるのではないでしょうか。

人には取り換えがきかない。
死んだら悲しむモノがいる。

組織が子供たちに強要している思想とは真逆の思考だと言えます。

でも、ルカは赤いリンが赤いレンと暮らすことを許しました。
それは、もしかしたら彼女自身を救う行為だったかもしれません。
彼女自身、もしくは彼女の過去、子供時代への償い
(ネタばれ御免!反転します)
彼女も、赤いリンと同じように子供時代から組織に属した人間だったようです。
ルカは、少なからず自身と赤いリンを重ね合わせていたのではないか、と編者は推測します。
彼らが属している組織で、女性が生きていくのは
想像を絶するような辛さがあったに違いありません。
同じ女性としても、「こうすれば(組織の中で)うまく生きていけるのよ」と
小さな後輩に模範を示していたつもりなのかもしれないですね。


その裏で育っていく赤いリンのこころ。
それは、ルカの想像を超えたところにありました。


■「思いあがっていただけなのね。」
大人には誰にでも子供時代がありました。
子供の頃の自分を否定されることが一番つらいこと。
過去はなかったことにはできません。
過去に目をつぶることは、ここにある今からも目をそらすことになります。
ルカが一番つらかったのは、赤いリンが笑ったこと。

赤いレンとの生活を許し、赤いリンを救っていたと考えていたルカ。
しかし、それは思い上がりだったことを思い知らされることになります。

日本行きの道程には、犬を同伴させるわけにはいきませんでした。
赤いリンと赤いレンは引き裂かれることになります。
命令を下したのは『プーチン』ですが、
彼らを引き離す役目を負ったのは恐らくルカ。
なんて皮肉でしょう。
赤いリンを救うはずの行為が、こころをさらに傷つける結果になろうとは。

そして、黄色いスカーフ事件。
彼女はそこで殺し合いよりも、さらにショックな光景を目にします。
初めて見た笑顔 最後に見た笑顔』。
赤いリンの笑顔。
ルカが彼女の笑顔を見たのは、初めてだったというのです。
赤いリンは、自ら死ぬことを決めたときに、初めて他人に笑顔を見せたのです。

「なぜ笑えるの?」
解放されるから。
冷たい世界から。
ルカ自身がからめとられ、逃げ出すこともかなわない世界から。
そう、ルカは受け取りました。


私はあなたのようにはならない。
あなたは哀れね。そこでしか生きられないなんて。
私は違う。自分で道を決められる。

あなたはなぜ、まだそこに居続けるの?



自分がよかれと思ってやっていたことは、いったい何だったんだろう。
「私は、何をしているの?」

ルカが眠れなくなったのは、
赤いリンが笑ったからです。




続きます≫その4


今回は、「どうして眠れないのだろう?」に焦点を当ててみました。
次回は、「どうしたら眠れるようになれるのだろう?」パートです。

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