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【考察】「ねむりたいのに!」3部4曲目(21) を読み解く【その4】 2010.11.23[火]

動画&歌詞その1その2その3その4

【個人的考察】つづき
赤いリンの笑顔は、ルカにある行動を起こさせます。
その3までをお読みになってからご覧ください。


今回は、「どうしたら眠れるようになれるのだろう?」パートです。

前回は、「どうして眠れないのだろう?」に焦点を当ててみました。
その理由は黄色いスカーフ事件そのものではありません。
赤いリンの残した笑顔にありました。

赤いリンの笑顔は、彼女にとって大きな衝撃でした。
ルカが眠らせていた"こころ"を揺さぶり起こし、
あなたはそれで満足なの?」という問いを突きつけたからです。
(もちろん、赤いリンが意図したかどうかは分かりません。
いなくなった人間の心は、残された人間には汲みとることしかできません。
あくまで、ルカがリンの笑顔をそう受け取った、ということが重要なのです)


■組織とは何か?
これを整理するのをすっかり忘れていました。
物語では、詳細が語られることのない部分ですので、あくまで編者の解釈なのですが、
ここで大まかにまとめておきたいと思います。

編者の考える【組織】とは…

こんな感じですかね。
作中に出てくる『プーチン』や『ロシア』などの固有名詞については、実はあまり重視していません。
確かに、チェチェン紛争では反政府組織に14歳から16歳の少年兵たちが多く駆り出されていた事実もあります。
世界的にみると、政府の正規軍でもほんの子供(12歳以下ですら!)を招集することもあります。
冷戦時には、米ソが対立していた歴史的経緯もありました。

しかし、ルカが存在しているのは、あくまで"プーチンP世界"とリンクした過去です。
昔々、ロシアと呼ばれる国にプーチンという王様がいました。」というニュアンスですよね。
狂おしいほどフィクションです、と表現したプーチンPの言葉が一番それを物語っていると思います)
ディテールに関しても、文献※などに描かれている子ども兵の現状を参考に
「どこかの国のどこかの組織」という体で考えていきたいと思います。

なぜ、こんなくどく説明したのかというと、
2部までに出てきた『アメリカ』という表現が、さっぱりでてこなくなったことが関係あります。
また、『自作自演』や『』『騙す』といったキーワードにも深く関わっていくからです。


■責任問題
編者の考える「組織」について共有していただいたところで、
まずは現実的な話から、ルカの「ねむりたいのに!」での状況を論じてみましょうか。

ルカの立場は、事件以降、非常に悪くなっています。
赤いリンとの関わりから見るに、黄色いスカーフ事件で殺し合いをしたのは、彼女の部隊(?)でしょう。
部隊とは言わずまでも、彼女の管轄下にあった子供たちだったと編者は推測します。
子供とはいえ、貴重な戦力。その損失は大きいです。
しかも、同志討ちによるものだったらどうでしょうか。
その他の部隊、組織全体の士気の低下にも繋がりますよね。

また、人が集まる組織には、権力争いがつきものです。
ルカは、それなりの地位を築いていると、番外編で解釈させていただきました。
それは、彼女が有能だったからというだけではすまない理由も含まれています。
あなた』の存在です。
番外編「ろしあんらすとえんぺらー!」「おそろしあ☆」と、今作「ねむりたいのに!」で毎回登場する『あなた』。
もう皆さんお分かりになっているかと思いますが、『あなた』=『プーチン』なのは、恐らく間違いないでしょう。

ルカは、『プーチン』(と呼ばれる人物)の愛人だからこそ、
女性でありながら現在の地位(幹部?)でいられるのではないでしょうか。
(もちろん、編者は女性蔑視の考えを持っている訳ではないです。
ただ、戦闘という生物学的に男性有利な組織、独裁的で未発達な組織において
女性が能力に見合った、正当な評価を得られることは非常にまれなのです。)

 胸でアピールしたのよ
 そこらのbitchと変わらない

 (ろしあんらすとえんぺらー!)

能力が高い上に、(結果として)女性を武器にしてのし上がっていくルカを、苦々しく思う『同志たち』はたくさんいたと思います。
ただ、"皇帝"である『プーチン』の愛人なので、うかつに手出しはできませんよね。
けれども、ルカが持っている地位と権力は手に入れたい。彼女を追い落としたい。
自分たちの手を汚さないでそれを実行したい。
彼らは虎視眈々とその機会を狙っていたのではないでしょうか。

そこに来ての黄色いスカーフ事件。
彼女の権力を失墜させるには絶好のチャンスです。
ルカの監督不行届を糾弾する声は、彼女の落ち度以上に(不必要なほど)大きかったのかもしれません。
彼女は助けを求めます。皇帝であり、愛人である『あなた』に。
 あなただけを 信じていたのに
 あたしもまだ 子供なのよね、、

しかし、頼みの綱の『あなた』からも「切られてしまった」ルカ。
孤立無援になってしまいます。
 ゆめみる自由と 絡めた舌を
 返してほしい 耐えられないの


独裁的な『プーチン』の立場であれば、どちらを選択することも可能だったはずです。
擁護することも、しないことも。
かの組織には、非人道的だという理由で黄色いスカーフ事件をそしる資格のある大人なんて一人もいないはずですから。
そして、『あなた』に楯突ける人間も恐らく同じです。
けれども、『あなた』はルカを擁護しなかった。それは、簡単な理由。
ルカに飽きていたから、だと編者は考えます。

番外編「ろしあんらすとえんぺらー!」「おそろしあ☆」と今作には、いずれも『あなた』が登場します。
しかし、3作品からは、あまり二人の熱烈な恋愛などを感じることはできません。むしろ倦怠感というか。
「あまり若くない」と作者プーチンPがルカを表現していたことを考えると、二人はかなり長い付き合いであったのでしょう。
彼の立場であれば女性は選び放題(複数の愛人を持っていたかもしれないです)。
しかし、ルカを愛人として手元に置いていたのは、彼女が優秀な幹部だったから。
でも、愛人生活が長引けば、半ば妻のようにルカが振る舞う。
彼女をかつて愛していたようには今は愛せない、ただし、彼女の能力は買っている。そのまま切るわけにはいかない。
まあ、ちょっとうっとうしい存在ですね。
黄色いスカーフ事件は、『あなた』にとっても、ルカ排除のいいきっかけだった可能性も捨てきれません。
だとしたら、本当に切ないです。

犬と赤いリンの縁を結び、
結果的にせよ人は取り替えがきかない尊いものであると教えた彼女が、
赤いリンの死をきっかけに、いとも簡単に取り替えられてしまうのです。
なんという皮肉。

以上から導きだされるルカの状況は、まさしく四面楚歌。
いつ寝首をかかれるか分からない立場に立たされています。


■窮鼠猫を噛む
窮地に陥ったルカはある行動に出ます。

彼女がとった行動を"X"とします。変数の定義です。
繰り返しになりますが、"X"は『あなたをひどく 裏切る事になる』ような(普段のルカからすれば)馬鹿げた行為です。
しかし、今のルカは「おそろしあ☆」までの「あきらめた大人」ではありません
ある人は、自暴自棄と表現するかもしれません。
ある人は、捨てられた女の逆襲とあざ笑うかもしれません。

しかし、"X"によって、彼女は眠れるようになりました。
赤いリンに揺さぶられ、突きつけられた問いに答えを出すことができたからです。
 眠れそうだわ あと少しだけ
 このデータだけ バラまきたいのよ
 隠せないのよ 悲しいあの子
 そう無駄にはしない 人を動かすの

これが行動"X"の全貌です。何がなんだか分からないって?
ここで全部種明かしするのは野暮ですから、まずは歌詞から読み取れる部分を読解していきます。

ルカは、PCを駆使し、ネットワークの世界(動画後半参照)にデータをばらまきたいと言っています。
そのデータは、『あなた』と組織を裏切るデータだと推測できます。
また、『あの子』はすなわち非業の死を遂げた赤いリン。そんな彼女の死を無駄にはしない行為であるとも。

真実は、後の作品を待つことにしましょう。


事件は、すでに起こってしまった。
私が償うべき罪は、あなたたちを死なせてしまったことだけじゃない。
あなたの残した笑顔、そして問いは消えずにずっと残り続ける。
あなたたちはただ、巻き込まれてしまっただけ。
戦いに巻き込んでしまったことこそが、私たちの罪。

だから今、あなたを世界に解き放つ。
あなたが受けるはずだった愛情をみんなからもらって。
私があげられなかったぶんまで、愛されてちょうだい。
世界は、本当はもっとキレイであたたかいのよ。

あなたの問いに、私はこたえられたかしら?



■新しい旅へ
やけくそにも思えるルカの行動は、やがて同志たちの目に留まることになります。
追い落としたと思ったルカが、なんと組織の根幹を揺るがすような行為をしていたのです。
しかも、普段の自分たちとは違う戦い方で。
みんなびっくり。
これはまずい。
あの女を消せ!
裏切り者には死を!

そして、刺客が送り込まれます。彼の名はウルセイ・テッパンノフ
追われる者と追う者の、奇妙な旅が始まります。


■二人の相似
最後に、一言だけ。
今回、次回予告がルカパートとテッパンノフ台詞の間に挿入されていますね。
「ゆめにさよなら☆」は、もちろん次回作の曲名なんですが、
ルカの現在の境遇にもかなり相似しています。
あなた』だけを信じて、『こころ寝かせて』生きてきた人生は彼女にとって夢のような儚いものでした。
あなたから感じていた愛情も、あなたへの愛情すらも、所詮薬物で見ていた夢幻だったのかもしれないと考えたことでしょう。
その「ゆめにさよなら☆」。
(さよならしたあとに登場する人物が、テッパンノフというところがうまいですね)

ルカは「データ」の生みの親でもありますし、
鏡音リンとルカ女史が、時間と空間を隔てていてもリンクするのは無理からぬことかもしれません。

また、ここでもう一度銃声がリンクしているのではないかと編者は考えます。
厳密に言うと、テッパンノフが撃った銃声こそが冒頭のもので、
それとがくぽの銃声がシンクロしているのだと考えます。

がくぽの銃声で過去へ向かった我々が、テッパンノフの銃声で現代に戻る。
(「銃声からすべてが始まる」タグ、編者はすごく気に入っているタグの一つなんです)

二人の結末はいかに。





いかがでしたか?ルカの行動"X"の輪郭がおぼろげながらでもつかめたでしょうか。
今回は、行動"X"そのものよりも、彼女がなぜ地位を捨ててまで行ったのかについて
大変興味をそそられました。
おかげでかなり難産になってしまいました。妄想分も高いです;;

次回は「ゆめにさよなら☆」。3部屈指の人気曲、リンの成長と変化を論じていきたいと思います。

≫「ゆめにさよなら☆」(歌詞・動画)
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COMMENTS

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このコメントは管理人のみ閲覧できます
2010-11-24 水 22:03:16 | | # [ 編集 ]

>まめ様

コメントありがとうございます!
反応いただけて本当に嬉しいです。実は、3部作品の考察かなり難航していまして
自分自身でも「この気持ちの汲み取り方でいいのだろうか?」と探りさぐりの解釈なんですね。
その中で、こんな風に言っていただけて、がんばろうと思うことができました。
ペースは乱れるかもしれませんが、気長におつきあい下さいませ。
今後ともよろしくお願いいたします。
2010-11-25 木 00:14:36 | URL | 編者 #- [ 編集 ]

こんにちは。
以前コメントさせていただいたものですが、また間違いを発見してしまったので失礼します。
項目「窮鼠猫を噛む」の4行目、「あそろしあ☆」となってしまっていました。
なんだか細かいところを突っついているようで申し訳ありません。
2011-03-08 火 22:10:14 | URL | ぱーぷ #- [ 編集 ]

>ぱーぷさま

こんばんは。いつもコメントありがとうございます。
さっそく修正させていただきました。「あそろしあ☆」って…脱力しちゃいますよね。
つついてるなんてとんでもない!ご指摘いただけて、本当に助かってます。
推敲が甘くてすみません、自分でもっとできていればいいのですがorz
またぜひよろしくお願いします。
2011-03-10 木 00:20:51 | URL | 編者 #- [ 編集 ]

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