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【考察】「ゆめにさよなら☆」3部5曲目(22)を読み解く【その4】 2010.12.09[木]

動画&歌詞その1その2その3その4その5その6


【個人的考察】つづき
「ひとりにしないで。」はリンの魂の言葉。

その3までをお読みになってからご覧ください。


冒頭のシーンの考察が長くなってしまい、申し訳ありません。
今回から本格的に曲の世界へと入っていきます。


■窓際少女
前回は、『少女漫画』的手法という観点で考察させていただきました。
この手法は冒頭の場面だけではなく、この作品全編にちりばめられています。
前回は、レン(王子様)の心境から歌詞を読み解いていきましたが、
今回は、リン(ヒロイン)側から動きを追っていくことにします。

 信じてたわ ひとりにしないとね☆
 理想じゃない 本当の君がね
 助けにくる… ゆめじゃない現実
 力なんて必要ないよ?☆


リン様のデレデレぶりが余すところなく表現されていますよね。
では、このキーワードに関する、現在までのリンの言動の変化をまとめましょうか。
  1. ひとりにしないで。
    「ひとりにしないで。」「けっせんとうじつ!」など
    心境:不安、叫び
  2. ひとりにしないわよ♪
    「あんさつしゃ!」
    心境:余裕、強がり
  3. 信じてたわ ひとりにしないとね☆
    「ゆめにさよなら☆」
    心境:安堵、ときめき

ひとりにしないで』と、怯えていたリンは
ひとりにしないわよ♪』と相手を包みこめるほどの強さを得ることができました。
しかし、彼女も14歳の女の子。
強がってはいるものの、本当は『信じてたわ ひとりにしないとね☆』と心の底ではレンを待っていたんです。
何ともいじらしいじゃありませんか。

理想じゃない 本当の君』『ゆめじゃない現実』も、リンのいじらしさを感じられるセリフです。
日常生活においては、リンはレンに対して、結構ダメ出ししているのではないでしょうか。
(→参考:2部4曲目「またあえたら☆」、2部最終曲「もんどうむようっ!」リンパート)
ほんとあんたダメなんだから!もっとちゃんとしなさいよ!
素直になれずに、いつもそんな態度をとっていたのかもしれません。
知らず知らずのうちに、理想のレン像を作り上げてしまい、
リンとレン二人共が、それにがんじがらめになっていたのではないかと推測します。

でも、そんな意地の張り合いなんて必要なくて、気持ちを伝える一言さえあればそれでよかったはずなんです。
やっとレンがそのことに気づいてくれた。
やっとリン自身も素直になれた。
君であれさえすればいい。夢幻なんかじゃなくて、今、ここにきてくれたことが一番うれしい。
ゆめ』については、前の作品で詳しく論じていますのでここでは省略いたしますが、
(→参考:夢から醒めない夢
レンがサンタ姿で助けに来てくれたこと、それは本当に目の前で起きた事実である。
その喜びをリンはかみしめているのです。


■意地っ張りの目に涙
しかし、リンはリンなんですよね。
嬉しくて涙目になりながらも、レンのダメ出しをしてしまうんですよ。

でも まだまだ甘い!髭 しわ ないじゃんよ!
ここは、「あんさつしゃ!」の『ヒゲも着けてきて 抱きしめてよ』に対する言及ですね。
テストで90点取ったら、もっと欲しくなるのが人の心というものです。
ヒゲがないなんて、別に大したことじゃないけれど、手放しで褒めるなんてリン様にはできない芸当です。
もっとうがった見方をするならば、足りなかったのは『抱きしめてよ』かもしれないですね。
それが言えないから、代わりに『髭 しわ』へツッコミを入れてると。
リン様、そこツッコミきれてませんよ。デレデレですよ。
(不覚にも)ときめいてしまった自分へのツッコミだと考えてもかなり興味深いかと思います。
何より遅いわよ? 帰ったら四の字にゃー!
ですから、『四の字』もただの照れ隠し。
無事に帰ってくることを案じる"乙女"以外の何者でもありません。

 危ない人だから 途中で逃げてよね?
 足だけは早いし、、、
 だいじょぶ!


ほら、ここで本音が出ていますよね。
理想を押し付けているのであれば、がくぽを倒せと言うこともできます。
でも、『途中で逃げて』。レンが無事でありさえすれば、それで満足だとリンは考えています。
足だけは早いし、、、 だいじょぶ!』も、きっとレンなら逃げ切れるという信頼のもとの発言でしょう。
、、、』は、拭いきれない不安はあるものの、「…うん、レンなら絶対大丈夫なんだから!」と
自身に言い聞かせる"タメ"だと解釈できます。


■因縁の弾丸
さて、ここまではリンがいかに少女漫画モードに入っているか、を検証してきましたが
一つだけ気になるワードがあります。
危ない人』。

がくぽはリンに恨みを持つ人物であるらしいことは「またあえたね☆」で述べました。
(→参考:影に輪郭は存在するか
リンもまた、がくぽを覚えていることがここでわかります。
決して、がくぽ一人でリンを逆恨みしているわけではないことが証明されましたね。
そこから、がくぽの正体についても少し考察をすすめてみましょうか。
今度は ボクが 君を 消すんだからw』とあるように、
彼は"プーチンP世界"ではない世界のどこかで、リン(の前身)に「消された」過去を持っています。
しかし、『危ない人』というリンの発言からは、
リンがいたずらに彼を消したわけではないことが分かります。要は雑魚キャラではないというか。
だからこそ、リンはがくぽ(の中身)に思い当ったと言えますし、
その危険性を以て、レンに『途中で逃げてよね?』と思いをはせているのですから。

無敵と思われるリンにとっても、がくぽは危険な人物であるということだけ覚えておきましょう。

彼がリンとレンにとってどのような存在なのか、そして、過去の彼はいったい何者なのかは
次回「かがみのむこう>」で解き明かしていきたいと思います。


■振り向くな、前を向け。
さてさて、その因縁の弾丸は、リンを仕留めることはできませんでした。
しかし、リンのヘッドセットを破壊しましたね。
yumeni2 yumeni

ヘッドセットを破壊されること。これは何を意味するか。
バックアップはもう刺せないわ
そう、"プーチンP世界"の大きな仕掛けである「記憶」を、自由に司れなくなってしまうということなんです。

またあえたら☆

記憶は、連作において非常に重要な意味を持っています。
もっと言えば、ある人物の「記憶を風化させたくない」という強い気持ちから"プーチンP世界"が生まれたのだと言えるからです。

では、記憶に関わる曲を列挙してみましょうか。

ここまででも、記憶の"出し入れ"が頻繁に行われていることが分かります。
作品の中で語られることはありませんが、
恐らく、リンは記憶のバックアップもそれなりの頻度で行っていたのではないでしょうか。
何しろ、自分も他人の記憶も結構簡単に記憶を操れるのです。攻撃といっていいですよね。
用心するに越したことはありません。
通常は「USBを挿しこむ」という漢字を使用する代わりに
刺せない』を使ったのも、この"攻撃"という色を強く押し出す表現なのでしょう。

がくぽの弾丸によって、ヘッドセットとUSBアダプタは破壊されました。
これからは、記憶のバックアップは取れません。
バックアップした記憶をロードすることもできません。

記憶こそがその人を形作るものだとするならば、
記憶を持たない人は、空っぽの箱にも似た虚しさを抱えながら生きるしかありません。
私はだれ?
この世界でどうすればいいの?


今、リンが持っている記憶がなくなってしまったら、彼女の恋心はどこに行ってしまうのでしょうね。
レンに焦がれる気持ちは。そして、この世界を慈しむ気持ちは。
その恐怖を、リンはまた一人で背負うことになったのです。

 でもいいの、、幸せだにゃ
 いつか失ってしまうから
 価値があるのよ!


リンは、必死で恐怖と戦います。

 バックアップはもういらないわ!
 あたしのココロはここよ☆


やり直しは利かない、前を向いて走るしかない。
記憶はバックアップできても、
こころはバックアップできない。
この気持ちを味わえるのは、今のこのあたしだけ。

レンは、あたしの気持ちに応えてくれた。
それだけで、しあわせなのよ!
だから…



続きます。≫その5
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