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【考察】「ゆめにさよなら☆」3部5曲目(22)を読み解く【その5】 2010.12.11[土]

動画&歌詞その1その2その3その4その5その6

【個人的考察】つづき
バックアップはもういらないわ! あたしのココロはここよ☆
リンの覚悟。彼女の涙に込められたものとは一体何だったのでしょうか。

その4までをお読みになってからご覧ください。


前回までは、主にレンとリン、二人の『こころ』について考察を進めてまいりました。
今回のテーマは、リンの秘密
サンタ姿のレンに心をときめかせるも、リンは手放しで喜んではいません。
なぜリンは涙を浮かべるのか。なぜ、終わりの日を思わせる言葉を発するのか。


■カウントダウン
がくぽの放った弾丸によって、リンは『バックアップ』の機能を失います。
しかし、発言の端々に、それだけでは済ませられない不穏さが滲んでいます。


彼女の身に起こったことは、まだ表面化していません。
しかし、確実に『最後の日』へのカウントダウンが始まっているようです。
カウントが0になったら、リンは消えてしまうのでしょうか。
そして、歌われることのなかった『絶望の歌』と、それに司られている"プーチンP世界"
どうなってしまうのでしょうか。
何が起こり、何が起ころうとしているのでしょう。
今は、彼女の中で大きな変化が起こりつつあることだけ覚えておいてください。


■祝砲
今作の特徴の一つが、『愛してる』という言葉の連呼です。
これまでの作品には全く見られなかったものです。
プーチンPはなぜ、この作品で「繰り返し」の手法をとったのでしょうか。

まず、ここで注目していただきたいのは動画の投稿者コメントです。
14歳の女の子になってきたと想います。
(原文ママ)

プーチンP作品の根底に流れるテーマの一つに、登場人物の「成長」があると編者は考えます。
その4までの考察では、主に彼らの「思春期的な成長」を論じてきました。
レンはナメクジから、かりそめのスーパーイケレンタイムを経て、サンタ姿の王子様へと変化しましたね。
これは、例えば"我々の世界"の中学生男子でも経るような成長なんです。
女の子に強く迫られて、うれしいんだけどそんなんでデレデレするようなんじゃ男じゃないぜ、なんて意地張って、
一悶着あってやっと素直になれた。ままありそうなパターンです。
しかし、一筋縄ではいかないのが"プーチンP世界"
実は、成長という軸には、例に挙げたもののほかに、もう一つの軸があるのをご存知でしたか?

ここで、プーチンPインタビューでの発言を引用させていただきます。
1部って"ワケわかんない度"が高いじゃないですか。
実はボカロが…リンが"世界にだんだんと慣れていく"段階の話なんです。
だから言葉も、最初はいい感じに喋れてないというか。

1部のはじまりだね!を制作しているときから、考えていたことがあって。
1部でだんだんと(世界に)慣れて、普通になっていくリンに対して、もっとこう…『いろんなことをさせてあげたい』と。

ここで見えてくるのは、誤解を恐れずに言うのならば、"機械"からだんだん「人間らしく」「一人の女の子らしく」
成長していくリンの姿です。

例えば、1部の「ひとりにしないで。」と「はじまりだね!」の歌詞を見比べてみると、違いは一目瞭然ですよね。
特に1部前半の歌詞は、(我々から見ると)非常に難解な単語の羅列が多いです。
その単語から、彼女の心情を直接読み取るのは難しい作業でした。
けれども、その傾向は徐々に減っていきます。
「はじまりだね!」では、だいぶリンの『こころ』をつかみやすくなっているのではないでしょうか。

そして、「ゆめにさよなら☆」。
場面としては、彼女が走っているだけの歌です。
でも、歌として成立していますよね。それだけでなく、たくさんの人から愛されています。
それはなぜか。リンの『こころ』に我々が共感しているからではないでしょうか。

鏡音リンは、人間ではありません。
過去、人間だった記憶はあります。けれども、それはただの記憶。
感情や心そのものではない、乱暴に言ってしまえばただのデータです。
彼女は、2回の変化を経て、ボーカロイド・鏡音リンとして"プーチンP世界"へやってきました。
改ざんされた記憶や、過去の記憶といったデータに振り回されながらも、
彼女は一人の女の子として『こころ』を獲得していきます。
それが昇華された場面こそが、「ゆめにさよなら☆」です。

彼女は感情をぶちまけます。
レンに対して直接ではないところがポイントです。
本当は、直接言いたい。でも、言えない。
それは恥ずかしいからかもしれないし、こちらから言ったら負けだと思っているからかもしれないし、
カウントダウンが始まったからなのかもしれません。

でも、言わずにはいられない。

 愛してるって言って?
 愛してるって言わせたいの!
 愛してるって言ってよー!


その後の連呼は、感情の爆発ですね。
今言わないと、気持ちがあふれだしてしまう。
そのせつなさ、いじらしさに我々は心をうたれます。

連呼の手法は、『14歳の女の子になってきた』ことを『こころ』の動きとして
表現するためのものと言っていいでしょう。


■時計は逆さに廻らない
"プーチンP世界"で、リンは確実に成長しています。
「ゆめにさよなら☆」は、その頂点と言ってもいい曲ではないでしょうか。
編者はあえて、頂点と言う言葉を使わせていただきました。
なぜなら、前項・カウントダウンでも述べましたが、リンの周囲には黒い影が迫りつつあるからです。

第一の影は、がくぽでした。
けれども、リンをこのままにはしておきたくない「力」が、まだ他にも存在するようです。
あたし勝てるかしにゃ?彼に』とリンが呟く、『』の存在です。
編者は、『』≠がくぽだと考えています。
リンはがくぽと戦おうという気持ちは持っていません。
なぜなら、リンは、レンががくぽに対峙してくれると信じているからです。

では、『』は誰か?
編者の推測では、がくぽを使役している存在または、その存在が持っているもう一つの"駒"
ではないかと思っています。
(※ネタばれ御免!反転します)
その"駒"こそがリンの中に入ってしまった『カケラ』であり、
『カケラ』も、実はがくぽを使役している存在が作り出したモノではないでしょうか。


がくぽの他にリンに対抗する「力」がすぐそこまで迫っていること、
その事実をリンは理解しているからこそ、レンへの思慕の念を爆発させていることを
ご理解ください。

次回で「ゆめにさよなら☆」考察最終回です。
リン以外の登場人物たちについて論じる予定です。

続きます≫その6

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