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【考察】「かがみのむこう>」3部6曲目(23)を読み解く【その7】 2011.02.16[水]

動画&歌詞その1その2その3その4その5その6その7

【個人的考察】つづき
レンとがくぽの勝負、まずはレンに軍配が上がりました。
レンはリンのもとへ走り出します。
その6までをお読みになってからご覧ください。

■走りだすのは誰がため
レンは、サンタクロースの衣装を身にまとい灰色の空の下駆け出します。
kagami6b

ここで注目したいのは、"赤の時代"の世界のお話「ぬすみはげどう?」との共通点です。



■くりかえし、くりかえす
先程はレンパート(c)前半部を「ぬすみはげどう?」との対比を歌詞ごとに行ったわけですが、
今度は作品におけるシーンを対比したいと思います。

神威がくぽのセリフ『あの物語では僕は犬以下だもんな ではここでも同じ結末、、』にあるように、
「かがみのむこう>」は「ぬすみはげどう?」を現代版としてなぞったようなシーンが多く見受けられます。
リンをめぐる(精神的な)対決構造、神威がくぽから「盗む」という行為、神威がレンに銃口を向けること。

さらに、拍手コメントでいただいた解釈をご紹介。
雪の降る中横たわったサンマで、同じく雪の上で死んだ犬を連想したって事でしょうか
まさか、サンマにそんな解釈が付けられるとは。となると、これも繰り返される物語をなぞったモチーフと言えそうです。
(その意味をまず見出したのが、差し出したレンなのか差し出されたがくぽなのかを考えるのも面白いですね)
非常に興味深いご意見でした。ありがとうございます。


■何を以て現実と為すか
「かがみのむこう>」最後のレンパート(c)は、ほぼ彼の独白と言っていいセリフが続きます。
走るレンの姿と併せて、「ゆめにさよなら☆」と同様の意味合いを持った部分かもしれません。
yumeni  kagami6b

俺は夢を見飽きたから
今を必死に守るんだよ☆
何も考えず走るよ!
俺は主人公だから!


この項で論じたいのは、夢という言葉。
リンが語る「夢」の意味の関しては、以前に詳しく述べさせていただきました。
(→参考:夢から醒めない夢
夢というキーワードをレンが使用するのは珍しいことだったりします。
使用しているのは、1部3曲目の「ゆめをみようよ。」:『ガンジャで夢を見るしかない』のみ。
ここでの夢は、明らかにトリップした際の幻覚を表現していますし、今回の夢とは一線を画したものですよね。
しかも、ここで語られるのは『』との決別。レンの指す『』とは、一体どのようなものでしょうか。

注目すべきは、直後の言葉『今を必死に守るんだよ☆』。
ここはつながった言葉であると編者は考えます。言葉をほどきながら解釈していきましょう。
レンは、『』を見ることに飽きてしまった。だから、『』を必死に守りたいと考えている。
そうすると、『』と『』が対比された関係にあることが見えてきます。
』は、恐らく現在の"プーチンP世界"を示しています。ボーカロイド・鏡音レンとして存在する、今の世界。

実は、ここにもレンの成長ぶりがうかがえるんです。
1部「おなわをちょーだいっ!」で"赤の時代"の罪を思い出し(後悔)、
2部「またあえたら☆」でリンにも"赤の時代"を見せ、リンに絶望を与えようとし(自暴自棄・道連れ)
「きえないひとみ。」では、『』の世界なんて終わってしまえばいいと呪いの言葉を吐いていたレン。
リンに救われても、3部「なにもないもの。」では『』の世界を疑い混乱する姿が描かれていましたね。

しかし、ここでのレンは『』の世界に対する姿勢ががらりと変わっています。
必死に守るべき存在。
これは、リンの背負う秘密を、分からないなりにくみ取った結果ではないかと考えています。
リンと"プーチンP世界"は、切っても切れない関係にあります。
それは、リンが『絶望の歌』を歌って「世界を終わらせる」トリガとしての役割を担っている以上の関係です。
逆から見れば、"プーチンP世界"が終わることは、リンが「終わって」しまうことにつながりかねない
そうレンが理解したのかもしれません。
きえないきみの瞳』=リンの瞳のことしか自分には理解できるものはないけれど、
それでも、リンのことを信じ守りたいというレンの変化です。
俺は主人公だから!』というのも、その世界に存在する自分は、自分の物語の主人公である。
誰かのせいにして世界を呪う必要はない、という気づきを示しているのではないかと考えています。

ざっくりまとめてしまえば、
レンは一緒に時間を過ごしている「今ここにいるリン」という存在を失いたくない
だから、そのリンを失うかもしれない"プーチンP世界"の崩壊を自分の手で食い止めたい
このような感じになるのではないかとと思います。
何も考えず走る』は、自分の抱えてきた感情(現実を呪う気持ち)をふっ切ったことの表れと取ることができましょう。
自分が何を守りたいのかを突き詰めていった結果が、リンだった。
サンタ姿で、リンの危機を救った行為とこの言葉は矛盾なく繋がる感情です。

対して、彼の言う『』は、恐らくリンほどは明確な意味をもったものではないと編者は考えます。
むしろ、リンの言葉に頻出する「夢」という言葉を、そのまま引用しているように思えるんです。
もちろん、『』には、1部初期の"赤の時代"の記憶をとり戻す前(幻の記憶)や、
"赤の時代"で自分が撃ち殺されなかったら、赤いリンが死ななければというif(ありえたかもしれない願望)が
意味として含まれているのかもしれません。
しかし、レンがしがみついていたものは、幻の記憶・ありもしない過去。
しかも、こうならばいいという前向きな希望ではなく、ここから居なくなってしまいたいという後ろ向きな希望。
彼の見飽きた夢は、少年時代の幻想といったものに近いかと思います。
(その意味で言うと、リンの見ていた/見ている夢とはやっぱり毛色が違うのです)

「ゆめにさよなら☆」と走り出すリンと、『』ではなく『』=今のリンを守りたいとかけ出すレン。
回り始めた時計の針に置いて行かれまいとして、必死にもがく彼らの姿をこれからも見守っていきましょう。


■アリとスカーフ
ここまで、レンの心情についた述べてきました。
最後はレンパートの小ネタを紹介して締めさせていただきます。



走りだす二人目は、鏡音レンでした。
レンは、リンと世界を守るために走ることを決意しました。
主要人物が全て走る第3部。次は、誰が何を決意し走りだすのでしょうか。



大変長らくお待たせいたしました。
やっと「かがみのむこう>」考察を終えることができました。
その他の小ネタとしては、動画の投稿者メッセージに書いてあるのが
"しうかさん"ではなく"しかさん"になっているところですかね。
これからしうかさんは七変化するのでお見逃しなく。

というわけで、次回「たびにでよう!」もどうぞお付き合い下さいませ。
≫「たびにでよう!」(動画・歌詞)
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COMMENTS

なるほど~、またいろいろ学ばせてもらいました^^
レンが財布を盗んだのは、単に腹いせや悪癖からではなく、足止め効果もあると考えていました。タクシーや電車を使って追ってくることを防止するのではないかと。小説にもそう書こうと思っていたのですが、解釈→小説化の過程で忘れてしまいまして、いま思い出しました。今さらですがw
サンマの解釈おもしろいですね。それは思いもよらなかったです。でもそこから思い当ったと考えるのが一番自然な気がしますね。
ネタバレ部分はどうにも解せないところなのですがここでいうのは自粛します><
アリのようの部分、やってしまいましたね^^; そんな人知らなかったので蟻だとしか思いませんでしたw 書き直してこようかなw
後こんにゃくは、柔軟で打たれ強い様子を表わしているのかと考えていました。「そのためには強くならねばならない。そう、こんにゃくのように!」って書こうとして止めましたw
2011-02-17 木 04:13:59 | URL | torment #- [ 編集 ]

>tormentさま

コメントありがとうございます。
財布に足止め効果、こんにゃくの打たれづよさですか。非常に興味深いご意見ですね。
サンマ解釈は、拍手コメで下さった方がいて、思わず唸るような面白さだったので
つい紹介してしまいました。さすがですよね。
2011-02-17 木 22:25:44 | URL | 編者 #- [ 編集 ]

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