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「アヒル童話」ひっそりレビュー。(その2) 2011.06.15[水]

当ブログにおいでいただき、ありがとうございます。
捻れたアヒルの新譜「アヒル童話」を聴いてみての感想など、
ざっくり簡単に書いていきたいと思います。
(編者は音楽に関して全くの素人なので、その辺りはご容赦を!)

テーマ・アイテム編の記事はこちら

今回は楽曲編の前半戦です。
ご興味のある方は、「続きを読む」へどうぞ。


【アヒル童話】 テーマ:グリム童話



  1. hitsujiP(ひつじP)/ めんどりの死んだはなし / テーマ:KHM 80「めんどりの死んだ話」
    わずか1分43秒の短い曲ながら、「アヒル童話」の世界に一気に飲み込まれる。
    おもちゃ箱をひっくり返したような、おとぎ話の住人が行進しているような、
    あっけらかんとして、どこかひょうきんささえ感じる音作りは幕開けにふさわしい。
    けれど、その音に乗せて歌われる言葉は『みんな死んでしまった』。
    その行進は死んだめんどりを悼む動物たちの、墓への道行であり、
    道中に動物たちもみんな死んでしまうのだ。
       - - - -   - - - -   - - - -
    いきなりどうしようもなく救いのない話を選ぶひつじP。
    そしてCD1曲目に持ってくるメンバーのチョイス。侮れません。
    ひつじPは、「焦げた世界」などちょっといっちゃった感じのギターが印象的なので
    意外だったんですが、「りんごの匂いでいっぱいの空」「ウェールズのともだち」を
    頭の中から引っ張ってくるとああ、なるほど。となりました。
    でも、根底にある不穏さはこの「めんどりの死んだはなし」を聞いても感じ取れるなあ。
    どうでもいいですが、ニコニコ大百科の紹介文がはっちゃけてます。

    hitsujiP(ひつじP)
    ニコニコ大百科 / マイリスト
    今回が捻れたアヒルCD初参加。
    スP、時田さん、娘細胞Pとのユニット「音楽性の違いにより解散しました。」でも活動中。



  2. アヒル軍曹P(AKIJIN) / ユメノユメ / テーマ:KHM 198「マレーン姫
    2曲目は、ささやくようなリンの歌声が紡ぐ、”頑なな恋の話”。
    聴けばアヒル軍曹Pと分かる、ピアノやストリングを用いたバンドサウンドながらも、
    突き抜けるような「わかりやすい」疾走感は抑えた仕上がりだ。
    しかし、7年塔に幽閉されたマレーン姫。王子への想いは、身動きがとれない体を飛び出していかんばかり。
    ピアノを用いた「泣き」のメロディや緩急を巧みに操っての表現は、まさに恋の歌。
    マレーン姫は、ナイフで煉瓦を削って塔を脱出し(!)、愛する人へと走りだすのだ。
       - - - -   - - - -   - - - -
    レン(王子?)が一部登場していますが、場面的には「マレーン姫が塔を脱出するまで」なんでしょうね。
    脱出後は別の女性と結婚間近だった王子を奪って元サヤにおさまる生々しい話なので。
    アヒル軍曹Pの詞は全体的に、(鏡音リン・レンを使用しているせいもあって)「情愛」「駆け引き」「嫉妬」よりは、「恋心」「一途な思い」「ヤキモチ」がしっくり来ます。
    物語が脱出前=少女、脱出後=女としてのマレーン姫を表すなら、
    「ユメノユメ」は少女時代からの脱却をはかろうとしているってことなんですかね。
    リンで奏でるならそういう場面の切り取り方になるんだろうなあ、と思うと同時に
    題材だけでなく、切り取り方こそが”捻れた”部分なのかな、と思ったり。

    アヒル軍曹P(AKIJIN)
    ニコニコ大百科 / マイリスト



  3. スP / A Day at the Races / テーマ:KHM172「かれい
    3曲目は、”魚のカレイがなぜあの形になったのか”という短い寓話が題材である。
    『君が夢に恋をした時から 僕の声君に届かないよ』の君と僕は、
    ニシンとカレイなのか、それとも王様になる夢を描き競争に加わったカレイと諦めたカレイなのか。
    レトロフューチャーという言葉を連想させる楽曲は、聴く人を決して突き放さない。
    電子音なのに体温のような温かみを感じる。息遣いを感じる。懐かしさを感じる。
    キラキラした音に彩られた「おとぎ話」は、寓話の裏にある誰かの切ない気持ちを託したものかもしれない。
       - - - -   - - - -   - - - -
    数あるグリム童話の中から、物語性が少なくそっけない寓話を選ぶのが”らしい”気がします。
    でも、ひねろうとしてあーだこーだやってるうちにぐるりと一回転して
    結局まっすぐになってしまったような、不思議な真摯さもあったりして。
    心にずかずかと踏み込んでくるのではないけれど、いつのまにかそっと触れられてるような心地良い曲です。
    ちなみに、タイトルの”A Day at the Races”って、直訳すると競馬開催日になるんですが
    QUEENの5枚目のアルバムのタイトルでもあるんですよね。その邦題は…?
    分からない方はちょっと調べてみるとなんとも言えない気持ちになりますよ。

    スP
    ニコニコ大百科 / マイリスト



  4. 若干P(KNOTS) / 眠り姫問題 / テーマ:KHM50「いばら姫
    4曲目は、「眠れる森の美女」としてディズニー映画にもなった、あまりにも有名なお話が題材である。
    エレキギターとアコースティックギターが織り成す調べに、どこか寂しげな歌。
    何かをあきらめてしまった女の子が、いばら姫と自身を重ね合わせ
    『あたしに本当に起きてしまった事なんて 永遠に教えないでね それで君をすきになるから』と、
    見たくない現実からの逃避を図っているのだろうか。
       - - - -   - - - -   - - - -
    と思いきや、”眠り姫問題”という言葉自体に重要な意味があるんですね。
    “捻れ”ポイントはきっとここなんでしょう。
    ”眠り姫問題”とは、おとぎ話とは関係ない思考実験と確率論の話。(参考リンク:その1  その2
    でも、まさに被験者は上記の女の子に似た気持ちになるんでしょうね。
    いつから眠っているんだろう。一日?一週間?それとも…。なんとも薄ら寒くなるような実験です。
    曲中の人々が、みんないまいち幸せじゃない若干P。その切なさは今回も健在です。

    若干P(KNOTS)
    ニコニコ大百科 / マイリスト



  5. NANIKA_SHEILA / Loved the Red Food / テーマ:KHM26「赤ずきん
    5曲目は、「食べられる者としての赤ずきんちゃん」視点の愛のうた。
    音があまりにも透き通っているものだから、人体のパーツを羅列されても血の匂いがしない。
    『私が溶けて』『あなたになって』いくときも、
    彼女はきっと満足そうに微笑んでいるに違いない、と納得してしまいそうだ。
    この「おはなし」には、おばあさんも狩人も存在しない。一組の食べられるものと食べるものだけ。
    祈りのような命のやりとりを、そっと手ですくって我々の眼前に差し出すのだ。
       - - - -   - - - -   - - - -
    前回の「AWD」では欠損少女を題材にしていたNANIKA_SHEILAさんですが、
    今回は更に上回った少女の活用(?)法。消化少女とでも表現すべきでしょうか。
    これを聴いて連想したのが、会田誠の「食用人造少女・美味(みみ)ちゃん」でした。
    あの喰い散らかされても笑顔を絶やさない感じ、「血が出ない」フラットさは詞曲共に通じるものがあるなあと。
    そういえば、欠損少女は「犬」の雪月花シリーズを思わせます。会田誠好きとしてはニヤリ。
    (美味ちゃんも犬も表現的に苦手な方がいるかも知れませんので、リンクは貼りませんでした。
    検索は自己責任で!)

    NANIKA_SHEILA
    ニコニコ大百科 / マイリスト



  6. プーチンP / みにくいぶた。 / テーマ:「ハンスのばか
    6曲目はお馴染みプーチンPの登場。今回はコンピCD初のレン曲で参加。
    第7版までに削除されたマイナー路線の童話が題材である。
    前2曲が「静」だっただけに、「動」が際立つ作品。
    重めのギターロックをベースにしつつ、プーチンPらしい音が随所に散りばめられている。
    願ったことが全て叶う「ハンス」と、望みを叶えてもらっても満足しない「お姫様」の対峙を描く。
       - - - -   - - - -   - - - -
    これはプーチンP連作と関係がある作品なんでしょうか。
    また『みにくいぶた。』は、誰を指すのでしょうか。”見えない”歌とはどんな歌なのでしょうか。
    関係があるとしたら、鏡音レンの歌?同胞・神威の歌?「お姫様」は誰?
    いけませんねー。
    「アヒル童話」としてレビューをするつもりで聴いても、やっぱり本編との関係性が気になってしまいました。
    この辺の話は、プーチンPのアナウンスを待ってからまた考えたいと思います。

    プーチンP
    ニコニコ大百科 / マイリスト



  7. カオスP / SISIGOI腑抜支社 / テーマ:KHM177「死神のおつかいたち
    7曲目は、前曲の勢いに乗ってさらに加速した「カオスP節」が炸裂。
    死神を介抱した男と、死の知らせを送る死神の短い寓話が題材である。が、
    5分6秒間に、その題材だけでは想像もできないような世界がつまっている。
    カオスPの曲世界は広がっているのではない。つまっていると言ったほうがしっくりなじむ。
    言葉や音の選び方も「心へのひっかかり感」が絶妙で、
    聴いているだけで削られる感覚があるのだが、聴くのをやめられない。
       - - - -   - - - -   - - - -
    前々回のアルバム「アヒルアルカナ」収録曲「2.5次元糸あつめワールド」。
    あの曲には、実にすごい解釈が付いているのをご存じでしょうか。→参考
    正直猛者がまた現れてくれるのを願ってます。
    ここまで童話とテーマを中心に、各楽曲の”捻れポイント”を考えてきたのですが、自分にはお手上げです。
    「SISIGOI腑抜支社」ってタイトルからしてもう絶対勝てないですよほんと。
    相変わらずギターかっこ良いなあ。

    カオスP
    ニコニコ大百科 / マイリスト



今回はここまで。その3で後半の曲いきます。

楽曲編・後編
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COMMENTS

はじめまして、プーチンp廃ですw

眠り姫問題の「暗算」は「安産」ともとれるんじゃないか、とおもったんですが、どうだろうか・・・

ということを誰かに言いたかっただけなんですw
ハンドルネームはいま適当にかんがえました

いきなりしょーもないこと言ってすいませんでした!
2011-06-25 土 14:14:18 | URL | AK47fromRUS #4q7dhj1M [ 編集 ]

>AK47fromRUSさま

はじめまして!コメントありがとうございます。
プーチンP廃さんなんですね。編者もです!

「アヒル童話」、いいアルバムですよね。
若干Pの眠り姫問題についてですか。

> 眠り姫問題の「暗算」は「安産」ともとれるんじゃないか、とおもったんですが、どうだろうか・・・
なるほどー。面白いですね。
その場合、前後関係はどういう解釈になるかぜひ教えていただきたいです!
なんか深そうです。

アルバムだと色々な方の曲を通して聞けて楽しいですよね。
今後ともよろしくお願いします!
2011-06-29 水 00:00:07 | URL | 編者 #- [ 編集 ]

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