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【考察】「うそつきはだれ?」3部9曲目(26)を読み解く【その4】 2011.07.02[土]

動画&歌詞その1その2その3その4その5

【個人的考察】つづき
プーチンもね あなただけで 満足と言ったのだからね☆
なぜ、「イリーナだけ」とドナルドが限定するのか。
プーチンとドナルドの関係とは?

その3までをお読みになってからご覧ください。


再びイリーナの眼前に現れた"新生"ドナルド。
2部までとは、目的が微妙に異なっているようです。
今回は、「新生ドナルドの目的」をテーマに論じていきます。
長いです。
が、かなり重要な部分ですので、どうぞお付き合いください。

■自作自演
今回、我々の頭を一番混乱させたのが
「なんでドナルドがプーチンのために働いてるの??」
だと思います。
「ドナルドって、アメリカの手先じゃないの?」
「アメリカとロシアって敵対しているんじゃないの?」

ですよね。
2部までの物語は、
"アメリカ"側の象徴として描かれていたドナルド と
"ロシア"を恋しがっていたリン の対決が描かれていた(と思われていた)からです。

けれども今回出てきたのは、
ドナルドの『プーチンもね あなただけで 満足と言ったのだからね☆』というセリフ。
プーチンがドナルドを動かしていると考えざるをえません。

じゃあ、新生ドナルドは2部までのドナルドとは異なった存在なのでしょうか?
2部まではアメリカで、3部は寝返ってロシアの手先になったのか、のような。

否、と編者は考えます。
「きみに、わたしに。」では、『彼のカケラ』をリンに撃ち込んだ
とミクが言っているからです。
ミクにとっての『』は、ドナルド唯一人。
赤い目赤い靴のリンという姿になっても、彼の本質は変わらないと思います。

そこで重要になってくるのは、イリーナが2度言った『自作自演』という言葉。
彼のカケラ』=データとしてのドナルドを撃ち込んだのは誰でしたっけ?
神威がくぽです。
神威がくぽ=同胞・神威は、この物語でいえば"ロシア"側の人間ですよね。
がくぽは、『あの人』=プーチンの意思を受けて"プーチンP世界"にやってきました。
ロシア側のがくぽはなぜ、ドナルドのデータを持っていたのでしょうか?

見えてきたのは、『プーチンの自作自演』。
プーチンは、あくまでロシア側の組織のトップです。
ただし、プーチンと敵対するアメリカ(と呼ばれる存在)は、実際には存在しない
(または、アメリカが存在したとしてもドナルドとは関係がない)
ドナルドは、1部からずっとプーチンの意思を受けて行動してきたと編者は考えます。
ドナルドを手先に使い、アメリカの仕業のように見せかけて
プーチンがやりたかったことこそが、「ドナルドの目的」になるんです。



■魔の手
次に、一度引いた視点から「うそつきはだれ?」を見ていくことにしましょう。
「うそつきはだれ?」は、大きく分けて4つのパートで場面を構成しています。

  1. 冒頭
    ああ? ここはどこなの?』~『あなたは誰よ?ボーカロイドにゃの?
    ここでは、舞台がリンの内面世界であることを説明しています。
    (→参考:リンの内面世界とは -

  2. イリーナとドナルドの対話
    見ないでよ!』~『だけど…きいて この世界で感じたことを☆
    内面世界に闖入者ドナルドがいることに気づくイリーナ。
    「鏡音リン」を巡る主導権争いが始まります。
    偽者』『消えて』とののしるイリーナと、『今度こそ終らせてあげる☆』と呼びかけるドナルド。
    イリーナは劣勢になってしまいます。

  3. イリーナの独白
    手を動かせば、何か 変わる素晴らしさ』~『疲れましたにゃー☆
    だけど…きいて この世界で感じたことを☆』とドナルドに呼び掛けるイリーナ。
    彼女はほろ苦い恋心を語ります。

  4. 笑うドナルド

こんな感じでしょうか。
ドナルドの目的と行動を考えるにあたり、重要なのは2と4ですね。
4は行動の結果なので、2の対話中のドナルドのセリフに目的があると言えましょう。


■イリーナは何回変化した?
なぜ、人間の少女だったイリーナが、ボーカロイド鏡音リンの頭の中にいるのでしょうか。
なぜ、ドナルドにウイルスと呼ばれているのでしょうか。

2からドナルドの目的をあぶり出す前に、
今リンの内面世界にいる、イリーナのルーツをおさらいしてみます。
最初のイリーナは、ロシア時代孤独に闘っていた少女です。生身の人間です。
人間イリーナは、飼っていた犬を同胞・神威に殺されたことで暴走し、仲間たちを皆殺しにして自殺しました。
これが、「黄色いスカーフ事件」です。
(→詳細:黄色いスカーフ事件

nemurenai2d


本来ならば、イリーナの物語はここで終わるはずでした。
でも、それを良しとしない人物がいました。ルカ女史です。
(→参考:窮鼠猫を噛む

nemurenaia


ルカは、『せめての償い』のため、イリーナたちの死を『無駄にはしない』と奮い立ち
限りなく小さな戦争』を仕掛けます。
相手は、所属していたロシアの組織と、そのトップ、元愛人プーチン。
小さな戦争の武器は、インターネットでした。
(→詳細:限りなく小さな戦争=行為X

ルカは「黄色いスカーフ事件」をネット上にばらまき、世論を動かすことで
組織とプーチンに一矢報いたいと考えたのです。
「ねむりたいのに!」「たびにでよう!」で、ルカとプーチン(ロシア)の対立構造が出来上がりました。
そんなルカの手によって生まれたのが、「はじまりのリン」。2番目のイリーナです。
彼女は、プーチンやロシアの組織にとって、非常に都合の悪い存在でした。
2番目のイリーナは、自分たちの罪を暴く内部告発文書だったからです。

イリーナは、ルカ女史の手によって、悲劇の物語「黄色いスカーフ事件」の主人公になりました。
最初のイリーナは、ルカと同じ世界にいた生身の体を持った存在でしたが、
2番目のイリーナは、「黄色いスカーフ事件」物語そのものです。体はなく、データだけの存在です。
そして、今いるイリーナは、ボーカロイド・鏡音リンという箱に入って、
"プーチンP世界"を引っぱってきた「プーリン」です。

はい、ここまで来ると本項のタイトルの話になってきます。
イリーナは何回変化した?
4回のはずなのに、1回足りません。
本当は、2番目と今のイリーナの間にもう一段階が入るんです。
(→参考:【考察未満】「リンは4回変化しています」について

ヒントは、ミクの歌う「なにもないもの。」
2番目のイリーナは、『ロシアの 悲しい事件』 を『伝える 為 生まれた』ものでした。
ルカの祈りから生まれた、悲しいけれど無害な存在です。
でも、『あの子』のことを、ミクは『怖かったorz』と言っています。

世界で一番 無垢な マシンガンとして ここに来た
から、『怖かった』。
2番目のイリーナは、『誰か』によって『手を加え』られ、3番目のイリーナになったようです。
3番目のイリーナは、ミク達が住むような『世界を 壊していた』『世界で一番 無垢な マシンガン
であると編者は考えます。

4番目=現在の鏡音リン(の中身イリーナ)は、『世界で一番 無垢な マシンガン』から『分けられた』存在です。
こわすもの』『ぬすむもの』『誰かに「つたえるもの」』に分離した、ある意味最初のイリーナに近い要素を持っています。
最初のイリーナと鏡音リンの中にいるイリーナの違いは、生身かデータか、くらいに近いです。
だとすると、
4番目のイリーナは、プーチンにとって都合の悪い存在である。
ということが分かりますね。
彼女は隠ぺいしたい「黄色いスカーフ事件」の記憶をばっちり持っているのですから。

(リンasイリーナの4回変化と、無垢なマシンガンに関しては、まとめてもう一度記事にしたいと思います)


■皇帝の仰せのままに
前置きがすっかり長くなってしまいました。
そうそう、新生ドナルドの目的です。

アメリカ:ドナルド、ロシア:リン(イリーナ)として対立してきたかと思われた二人は、
実は、全然違う立ち位置で戦っていたのですよね。
ドナルドは、プーチンの手先として
イリーナは、プーチンにとって都合の悪い存在として

対立していました。ここまでがまとめです。

2では、物語の根幹にかかわる重要なキーワードが登場しています。
(※2:イリーナとドナルドの対話パート)
その中でドナルドの目的に関係がありそうなものを列挙してみます。

全てがイリーナに向けられた言葉です。
ただし、イリーナはこれらに「2種類の反応」を示しています。
否認と容認です。



ここでやっと、ドナルドのセリフが利いてくるんですよね。
プーチンもね あなただけで 満足と言ったのだからね☆
プーチンは、"プーチンP世界"から現在のイリーナさえ回収(?)できればそれでいいと考えたようです。
現在のイリーナは、分けられたものです。
2番目のイリーナ=「黄色いスカーフ事件」の物語、犬や同胞や出てくるすべてをひっくるめた存在
3番目のイリーナ=『無垢なマシンガン』=2番目のイリーナに手を加えたもの
4番目のイリーナ=『無垢なマシンガン』-「ぬすむもの」-「つたえるもの」
=「こわすもの」ボーカロイド・鏡音リンの中身
=現在のイリーナ
です。
ということは、「ぬすむもの」などの要素は、プーチンにとってさして重要ではない。
イリーナの記憶さえあれば、プーチンの目的が果たせる。
「黄色いスカーフ事件」の隠ぺいは、主人公イリーナがいなければそもそも成り立たない
とプーチンは判断したのでしょう。



長くなってしまいましたが、ドナルドの目的の変化についてご理解いただけたでしょうか。
次回は、
消えてしまうことを容認しているかのようなイリーナが、
それでもドナルドに聞いてもらいたかった『こころ』について読み解いていきます。

続きます。
その5

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