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【考察】「はじまりだね!」1部8曲目(08)を読み解く【その2】 2008.11.30[日]

動画&歌詞その1その2

【個人的考察
リンの捨て身の大作戦は、どのような結末を迎えたのか。
冒頭は雑踏とアナウンスから始まります。


■渋谷駅という「現実」
まず、SE(ここでは声ネタ以外の効果音)に注目してみましょう。
前作までのSEは、足音・サイレン・インターホンなど「匿名性の高い」(どこにでもありそうな)音ばかりでした(その代わり、声ネタは一発で誰かわかるほどの強烈な個性を放っていましたが…)。
しかし、この曲に使用されているSEははっきりと"渋谷"という固有名詞を出しています。
いままでとは明らかに毛色が違います。それはなぜでしょう。

ひとつに、聴いている者を("プーチンP世界"の)"現実"に引き戻す効果が挙げられるでしょう。
1部の根底に流れていた"浮遊感"であったり、
ロシアやアメリカといった"大きな話"に浸りきっていた我々に対して、
「でも、彼らのいる世界はとても小さい」
改めて教えてくれます。

また、彼らの暮らしている"プーチンP世界"は、我々の世界と非常によく似ていることも教えてくれます。
「彼らの立っている場所は"プーチンP世界"の)日本。」
同じように東京があり、渋谷駅があり、人々が暮らしている。

"渋谷 渋谷です"
("現実"の世界に戻ってきましたよ)
"ご乗車ありがとうございます"
1部作品にお付き合いいただき、ありがとうございます)
"足元にご注意ください"
(だけど足元すくわれないようにね)

彼らは戦いを終えて、我々の近くまで戻ってきたのです。


■リンのソロは続く
はじまりだね!」は「しあわせなの!」とよく似ています。
冒頭、二人=リンとレンは並んで渋谷駅を歩いています。ただ、やはりレンは無言のまま
リンの口から「おなわをちょーだいっ!」の顛末が語られます。

結局捕まってしまったリンとレン。
残念ながら『あたしはただの被害者よ』とはいきませんでした。
しかし、「設定年齢14歳」が彼らを救います(『少年法 万歳だわ☆』)。
(彼らは何年たっても"14歳"のままのような気もしますが、"プーチンP世界"はまた違う場所なのでしょう)
二人とも保釈されたのか、渋谷駅を歩いています。

大成功とまではいかずとも、リンの捨て身の作戦は功を奏したようです。
ただ「しあわせなの!」で有頂天だったリンとは異なり、
はじまりだね!」でのリンは清々しいと表現すべきでしょう。
レンと二人で歩きながら、言葉をかみしめるようにリンは歌います。

リンの心情の違いを端的に表しているのがロシア行き。
「しあわせなの!」では『帰りますわ♥』と高らかに宣言していましたが、
いつかロシア 君と行けたら イイ!』に表現が変化しています。
二人は保護観察中の身分ですので、渡航がただ不可能なだけなのかもしれません。
しかし、これを編者はリンの変化ととらえます。
「かの地(ロシア=手の届かないもの)に憧れるよりも、
今自分の置かれている"現実の世界"をレンと二人で歩いていこう
ただ、リンはまだ甘い。足元を見ていない。
二人で歩くべきはずのレンのことを全く見ていないのですから。


■二人のすれ違い
レンの無言、ここに、1部完結となる「はじまりだね!」の肝があると編者は考えます。

彼の様子をリンはこう表現しています。
でも君はフラフラ まだミクが好きなの?

ここまでお付き合いいただいた方ならお分かりだと思いますが、
レンがここでフラフラしているのは、決して、
ガンジャがないために禁断症状が出ているわけでも
ミクにいまだ心奪われて心ここにあらずなわけでもありません。

彼は打ちひしがれているのです。この現実というものに。
「おなわをちょーだいっ!」で取り戻した記憶の、あまりの残酷さに
"全て"を思い出した今の彼は、リンへどう接していいのか分からないでしょう。
ただただ苦悩する彼の姿が浮かんでくるようです。

しかし、リンにその気持ちがわかるはずもありません。
リンの知るレンの姿と言えば、
薬物に耽溺し、仕事もさぼり、
手の届かないミクにあこがれ、(以上「ゆめをみようよ。」)
ミクの2番手としてリンをとらえ(「さくらのしたで☆」)
薬をやめる気も全くない(「おなわをちょーだいっ!」)。
とてもおおざっぱに言ってしまうと、
「何にも考えてない、そしてそんな自分を変えたいとも思っていないダメ男」なわけです。
だからこそ、リンは『あたしが何とかしてやるわ!』(「ゆめをみようよ。」)と宣言するのですが…

そんなダメ男のレン君が苦悩するなんてことは、リンの想像の外。
(現実に押しつぶされそうで)フラフラしているレン君を見て、
「ガンジャが切れてフラフラ?しかも、せっかく助けてやったのにまた上の空で…ミクのことでも考えてるのかしら。…そんなんだったら」
またナイフチラチラ♥するよ?いいの?
と言ってしまうのは仕方のないことなのかもしれません。

このように、レンのリンに対する気持ち、態度は
記憶を取り戻したことで大きく変化していくことになります。
そして、二人のすれ違いが2部の大きなカギになるのです。


■後日譚と2部への伏線
「ひとりにしないで。」で揺れていた未来のレールは、
「おなわをちょーだいっ!」のリンの頑張りで揺らぎを止めたように見えました。
リンは望んでいたレンとの未来を手にすることができたのです。

しかし、物語は終わりません。
これはかりそめの解決でしかありません。

苦悩するレンはどんな未来を受け入れるのか。
ドナルドは本当に葬り去られたのか。
プーチンは誰なのか。
リンは、本当の意味で「レンと二人」になれるのか。

まさに、2部の「はじまり」を告げる歌と言えましょう。




やっと、1部が終わりました…。
皆様の解釈の足しになりましたでしょうか。
長いばかりで混乱をあおっているような気もしますがorz

ちなみに、本考察では触れませんでしたが、
最後の阿部さん=保護観察の人は、
「ちょこあげる!」などに出てくる阿部さんとは同一人物ではありません。
保護観察の人は、舞台でいう端役なので、同じ俳優(阿部さん)が何役もこなしているイメージです。
この舞台構造ももう少しまとめて論じていきたいところです。

実は、一番厄介な「おしまいだぜ!」が残っているんですよね。
1部全体のまとめをすべきか、「おしまいだぜ!」の考察をすべきか、
はたまた2部へ突入するか考え中です。→2部考察を始めました!
どうぞ次回からもお付き合いくださいませ。

≫「おしまいだぜ!」(動画&歌詞)→注意!考察は2部ネタばれあり。
≫「まほうはじゃどう」(動画&歌詞)で2部に突入する

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COMMENTS

こんにちは、はじめまして!
「いっしょにね!」が更新されたときくらいから、
毎日更新を楽しみにしてました★
一部(おしまいだぜ!が残ってますが)完結お疲れ様です!
貴方様の考察を読んでると、「は~、こういう考え方もできるのか!」と常々感心しています。
とくに「しあわせなの!」の考察はすごいと思います。
二部も楽しみに待ってます!

乱文失礼いたしました。
2008-11-30 日 01:02:56 | URL | 未悠 #mQop/nM. [ 編集 ]

こんばんは!

未悠さんはじめまして。
まさかご覧いただいていたなんて…恐縮です。
コメント本当にありがとうございます。
拙い文章ですが、
「プーチンP世界の見方」ってたくさんあるんだよと
分かち合っていける方が増えたらいいですね。
今後もどうぞお付き合いください。
2008-11-30 日 23:43:38 | URL | 編者 #BW6/sfyE [ 編集 ]

こんばんは、はじめまして
プーチンP三部作を一度巡回して
6割くらい理解したんですが良く分からず
考察サイトを探してこのサイトを見つけました。
自分の考察とあっていたり
成る程、と思う考えもあって
いろいろと考えさせられます。
改めて1部から見てみると
ストーリーの細かいところとかを思い出し
解説つきなのでうなずくところが多いです。
事細かに書いてくださってお疲れ様です。
2009-03-31 火 16:03:23 | URL | HIYOKO #bBmFigmc [ 編集 ]

こんばんは!

HIYOKOさんはじめまして。
メッセージありがとうございます。
こちらこそ、長い考察を読んでいただいて恐縮です。

編者の考察は、結構妄想分多めなので
HIYOKOさんの解釈とは異なる部分も多いかと思いますが、
事実関係はおそらく大丈夫だと思います。
よければ参考になさってくださいね。
それでもわからないときは是非プーチンPのブログへGO!です!
2009-04-01 水 01:17:13 | URL | 編者 #- [ 編集 ]

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