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【考察】「こころにこえを○」3部12曲目(29)を読み解く【その2】 2012.02.02[木]

動画&歌詞その1その2その3その4

【個人的考察】
ルカにとっては死出の道だった「旅立ちへの道」。
テッパンノフにとってはどのような道だったのでしょうか。

「こころにこえを。」「こころにこえを○」両作品を「こころにこえを」2部作と呼び、
横断的に考察していきます。
「こころにこえを」2部作をご覧になってからお読みください。

今回のテーマは、ミクが「こころにこえを○」を歌う理由です。

■マスター!
「こころにこえを○」では、3部で一番大きな伏線が回収されました。
それが、ミクの『前の持ち主』=テッパンノフという事実です。
ミクは、3部で何度も『前の持ち主』について言及していましたよね。


一番重要なのが、最後の項目。
「こころにこえを○」は、テッパンノフがミクに"歌わせた"ものではなく
"安楽椅子探偵初音ミク"が、3部で証拠を積み重ねた結果を
自分の意志で歌っていることを押さえておいてください。


■あきらめない。私、さがす。
では、なぜミクはそうまでしてテッパンノフの気持ちを歌う必要があったのでしょうか?
理由は、『前の持ち主』テッパンノフへの深い愛情と、彼との「別れ」にあるようです。

ここで、是非おさらいしていただきたいのが「さいごのうた。」(「またあえたね☆」)です。
3部3曲目「またあえたね☆」のミクパートが、
そのまま「こころにこえを○」の冒頭とリンクしているのがわかるでしょうか。

ミクに 言いたい
ボクは踏み出せたのだとね
ここからが スタート
君無しでも大丈夫さ


「さいごのうた。」は、「手放された側」であるミクの心情を歌った曲でした。
対してこちらは「手放した側」であるテッパンノフの心情が語られています。
踏み出せた』『スタート』…なにやら清々しい始まりを感じさせる言葉が並んでいます。
では、テッパンノフにとっての『スタート』とはなんでしょうか?

それは、ルカサイド「こころにこえを。」の冒頭、「おれとにげないか?」という言葉とその後の行動のこと。
組織を裏切り、ルカの手を取って自らの意志で逃げることを指しています。
そう、テッパンノフはルカを罠にはめようとしたわけではなく、
ルカと共に生きたいと考えてあのセリフを言ったのです。

次項詳しく述べますが、テッパンノフにとってのミクは、
ただ歌を歌わせるだけの存在ではありませんでした。
ミクがいたからこそ、テッパンノフは『踏み出せた』と言えるからです。
そのように大切なミクを手放して、ルカを選んだテッパンノフ。
「さいごのうた。」の『どこへでもいく 君が望むなら☆』には、ミクは彼の思いをくみ取ったことが示されています。
要は、
自分を捨てルカを選んだとしても、テッパンノフを助けられるのであればそれでいい。
そうミクが考えたということ。愛ゆえに身を引いたってやつです。

しかし、「こころにこえを○」を歌うミクは知っています。テッパンノフが失敗したことを。
テッパンノフの『スタート』は、ルカにとっての「死出の道」だったことを。
じゃあ、あの別れはいったい何だったんだろう?
そして、テッパンノフは今どうしているのだろう?

ミクはそれを知るため、彼の気持ちをなぞるために「こころにこえを○」を歌っているのです。


■私の運命の人、あるいは私の「おおきなはねで!」
本項はかなり妄想性分高めです。
「テッパンノフにとってのミク」という話。テッパンノフの性格について踏み込んでみます。

テッパンノフは、恐らくかなり孤独な青年です。

戦災孤児、しかも日系人ゆえに言葉の壁にぶつかってしまう。
まともに教育してくれる大人がいるはずもなく、
大人になった今でもロシア語は上手く話す事が出来ない。
語る言葉を持てないこと、他人と意志疎通ができないことほど人を孤立させるものはないでしょう。
常人であれば、子どものうちに淘汰されていてもおかしくありません。
特に、過酷な組織にあっては。

けれども、テッパンノフは生き抜いて大人になりました。
きっと能力が高かったのだと思います。組織に必要とされる能力、もっと言えば人殺しの能力が。
うまく喋れないことも、裏を返せば、余計な口を出さず/愚痴をこぼさず/誰かと共謀して寝返ることもないと考えれば、非常に「都合のよい」人材であるわけです。
組織は、彼を暗殺を得意とする殺し屋に仕立てました。
個人行動が基本の殺し屋であれば、誰かとコミュニケーションを取る必要もありません。
しかも、秘密を漏らす危険性は少ない。だってロクに喋れないから。
物騒な組織の中でも、部隊を率いるルカのように華々しいポジションではなく、
もっと裏で、存在も感知されないくらいひっそりと、手を真っ赤に汚してきたのでしょう。

言葉の壁、生来の不器用な性格に加え、与えられた殺し屋という仕事が
彼をますます寡黙にさせていきます。
まさに『機械の様に 生きてた』テッパンノフですが、彼にも当然『こころ』はあります。
思うままに感情を表現したいと考えるのは当然です。
そこで出会ったのが初音ミク。日本語で歌うボーカロイドです。

ロシア語を勉強することを放棄してまで練習したギターで、テッパンノフは作曲していたようです。
日本語でなら、歌でなら自分の思いを表現できる。
彼はミクに夢中になります。
曲もたくさん作ったことでしょう。
(この物語のように、いつしか大叙事詩になっていったかも知れませんね)
そして、テッパンノフはインターネット上に曲をアップすることにしました。
彼が作ったミクの歌は、彼のことを知らない多くの人の耳に届きました。
彼がテッパンノフであること、殺し屋であること、孤独な孤児であったことも何も知らない人々。
ただ、テッパンノフの作った歌に共感しただけ。でも彼にとっては初めての経験です。
手を汚すことでしかつながることのできない組織とは全く違う関係性。
ミクの歌声を通してはじめて、
たくさんのレッテルが張られた自分ではなく、まっさらな自分の言葉を他人に届けられるということ。
それを承認される喜び。
テッパンノフにとって、ミクは単なる道具ではありませんでした。
自分の心をはばたかせてくれる大きな翼だったのです。



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近頃は組織の子供たちもボクの曲を聴いているようだ。
もちろん、ボクが作ったなんて知らないけれど。
でもいいんだ。楽しみに待っていてくれるならそれで。
それにしても、僕の曲を流してくれるラジオの主は誰なんだろう?



続きます。≫その3
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