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【考察】「こころにこえを○」3部12曲目(29)を読み解く【その4】  2012.05.31[木]

動画&歌詞その1その2その3その4その5

【個人的考察】つづき

彼が、実弾を真赤な薔薇に変えたのは?

「こころにこえを。」「こころにこえを○」両作品を「こころにこえを」2部作と呼び、
横断的に考察していきます。
「こころにこえを」2部作をご覧になってからお読みください。

今回のテーマは、引き続きテッパンノフの行動とその裏側(後半)です。
彼がルカとともに逃げようと決心したのは、いつだったのでしょうか。


■氷から炎へ
ここからは3部過去編に突入します。
幹部時代(=愛人時代)、『大人になってから』のルカは、
「ろしあんらすとえんぺらー!」「おそろしあ☆」で見せたように、
組織の仕事に忙殺され、少女の頃の夢は見ないふりをし、刹那的に生きていました。
氷のように冷たく凍えた瞳をしていたのではないでしょうか。

今のルカは天使ではない。羽根を折られたただの"女"
認めたくはないけれど。


だからこそ、テッパンノフは迷いながらもルカの暗殺命令を受けたのです。
(断る術を知らないという側面もありますが…)
このときはテッパンノフの懐には実弾入りの銃が入っていたと考えます。
殺す意志があったということです。

nemurenaib

しかし、「ねむりたいのに!」で殺し屋テッパンノフが久しぶりに目にした彼女は、まるで別人でした。
黄色いスカーフ事件(→詳細)を告発するという「使命」に燃え、
組織を、プーチンを裏切るという決心をしたのですから。
ルカにとっては、イリーナ(≒かつての少女ルカの象徴)の『笑顔』に耐えかねて
罪悪感をきっかけに起こした行動でしたが、テッパンノフは知る由もありません。

再び出会った女は、少女の頃の輝きを取り戻したように見えた。

そこで、テッパンノフはこう考えたのだと推測します。
「彼女の行く末を見てみたい」と。
彼は"暗殺者"です。
もちろんルカも優秀な工作員ですが、ひたすら殺すことだけを叩き込まれてきた彼が、
そう簡単にルカを取逃がしたりするでしょうか?
答えは
わざとルカを泳がし、ルカの真意をはかっていたと考えるのが自然でしょう。

「たびにでよう!」でルカがどこか余裕を見せていたのも、
テッパンノフが本気を出していていないことを感じ取っていたからかもしれません。
なぜ本気を出していないか、彼の隠された恋心までは理解していなかったと思いますが、
ルカが露出を増やしたら、テッパンノフが『いつもより早い』登場だと
わざわざ言及しているので、ルカ自身は女(欲望の対象)として見られている程度は
認識していたのかもしれません。




■羽衣天女
「ねむりたいのに!」と「たびにでよう!」の間で
テッパンノフは実弾を真赤な薔薇に変えた(=殺すことを放棄した)と編者は推測します。
では、ずっとできなかったのに、『おれとにげないか?』と告白できたのはなぜでしょうか?

孤児院時代に芽生えたテッパンノフの恋は、ルカを"天使"とみなし不可侵の存在にすることで
失恋もすることができず、いびつに育ってきました。
ルカが羽根を折られて"女"になっても、思いを断ち切ることができないままでした。
そんな中、大きな転機が訪れます。
それはルカの裏切り。
再び意志を取り戻したルカに、もう一度惚れちゃったんですよね、きっと。
ああ、ボクが好きだったルカが帰ってきたって。

でも、ちょっと待って。そのまま考えると
テッパンノフにとってルカは再び"天使"になってしまうからやはり告白できないんじゃない?
ごもっとも。
でも、そこにテッパンノフの心境の変化が見て取れるんです。
ルカの"天使"たる所以は、彼女自身にだけあるわけではなかった。
彼女が支配者プーチンに選ばれた存在だから。

そう考えると今のルカは"天使"じゃないですよね。
輝きを取り戻したとしても、一度羽根を折られた"女"であれば自分が近付いてもいいのではないか。
そう自分を納得させて、行動を起こしたのだと思います。

前項で「たびにでよう!」に言及したシーン、テッパンノフの『いつもより早い』登場も、
テッパンノフの立場からすると、ルカを不特定多数の目にさらしたくないという気持ちがあったのでしょう。

自分以外の誰かに、ルカを殺されたくないという気持ちと、
ルカの眩しい肢体を男たちに見せたくないという嫉妬。
無表情な彼の行動の裏側はこんな感じだったのではないでしょうか。


そう考えると、画像のテッパンノフの妙な必死さの意味がわかるような。


■「全てが運命○」(気づき編)
さて、これから「こころにこえを○」の一番のキーとなる全てが運命○について詳しく論じます。
歌詞を引用しますが、順番が前後しますのでわかりにくい部分があるかと思います。ご了承ください。

でもそこからボクは気付く
全てが運命○



これから始まるテッパンノフの思考の『全てが運命』になります。

■「全てが運命○」(ラジオ編)
彼の選択してきた人生の全てが、ルカと再び巡りあうための『運命であると感じたこと。
では、彼が『運命』と感じた点はどこだったのでしょうか?

君の声が聴こえた
ラジオの主は彼女?
信じられない事だ
日本語なのに聴いてた!!


テッパンノフが長年感じてきた孤独をいやしてくれたものは、初音ミクを使っての作曲でした。
しかも、ただ作曲するだけでは生まれなかった喜びも手にしています。
作った曲が『ラジオ』に流れ、子どもたちにも受け入れてもらえたことです。
彼は、ラジオの存在は以前から知っていたようです。
しかし、子どもたちと自分の曲を繋ぎ、殺していた心を甦らせてくれた
ラジオの主』は誰だか知りませんでした。

そんな折、ルカのPCからミクが歌うテッパンノフの曲が聴こえてきたとしたら?
彼はすぐに理解したことでしょう。
自分の曲を子どもたちに届けてくれていたのは、彼女だった!
すなわち、『機械のように』心を殺して生きてきた
テッパンノフに、再び命を吹き込んでくれたのは、他でもないルカだったのです。
運命を感じないわけにはいきませんよね。


■「全てが運命○」(回想編)
テッパンノフの感じた『運命』は『彼女とラジオ聴いてたあの頃』まで遡ります。

ロシア語よりもギター 練習して孤独にorz
未だにロクに喋れないから 暗殺者に…
全ては運命だよ


少女ルカもラジオを楽しみにしていたことから、
音楽をすればルカに振り向いてもらえると思ったテッパンノフ少年。若いです。若気の至りです。
彼はロシア語の勉強を放棄して、ひたすらギターばかり練習していました。
結果、人とコミュニケーションが取れなくて孤独になってしまったのは以前述べたとおりです。
(→詳細:私の運命の人、あるいは私の「おおきなはねで!」 /blog-entry-498.html)




■僕たちを巡る輪
最後に、『全てが運命○』における『』について少し。
全てが運命○』とタイトルの「こころにこえを○」の『』の意味はほぼ同じだと編者は考えます。

「こころにこえを」は、ルカ編の「こころにこえを。」とテッパンノフ編の「こころにこえを○」
からなる2部作ですね。
「こころにこえを」部が同じなのは、同舞台同時刻で起きた物語であることを明示するためです。
タイトルの違いは句読点「。」と「○」。
今回注目すべきなのは、もちろん「○」です。
タイトルに「○」が入っている作品は、ほとんどありません。番外編の「ねじれたこうてい○」くらい。
実はそこにヒントが。

「○」は、肯定を表すと解釈します。
「ねじれたこうてい○」の意味の一つ、「捻れた肯定」と同じ。
ルカにとってテッパンノフとの逃亡(まだ始まってもいませんでしたが)は、"死出の道"でした。
だから、「。」(句点:日本語文書で文の終わりに打たれる約物)、最期を表しています。
逆に、テッパンノフにとっては世界に肯定された明るい未来の始まり(になるはずだった物語)です。
よって、「○」になるわけです。

全てが運命○』も同じです。
間違えてばかりだと思っていた自分の人生は、間違いじゃなかった。
再びルカと巡りあって、そして二人で生きるために自ら選んだ『運命』なんだ。
ルカが自分の手を取ってくれた。
ルカが救ってくれた。

圧倒的な幸福に、テッパンノフは包まれたのです。

補足しますと、テッパンノフのモデルとなった鉄風Pの作品に「ドラスティックサイクル」があります。


(※現在は非公開のため、youtubeから引用)
捻れたアヒルの2ndコンピレーションCD「アヒルアルカナ」収録の作品ですが、
テーマがタロットの「運命の輪」(正位置)だったりします。

さてさて、次回「こころにこえを○」考察最終回。
テッパンノフがつかみかけた幸福の先に何があるか、私たちはすでに知っています。
なぜ幸福は彼の手からこぼれおちたのでしょうか。

続きます≫その5
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