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【考察】「なやみむようっ!!」2部6曲目(14)を読み解く【その5】 2009.01.13[火]

動画&歌詞その1その2その3その4その5

【個人的考察つづき
赤いレンに託した赤いリンの想い。
その4までを読んでからご覧ください。

(09/03/09)歌詞修正に伴い、内容を一部変更いたしました。


■ねえ、顔をあげて。

サザエさん一家に預けるときに赤いリンがしたこと。

赤いリンの"賭け"はこうです。
例えば港から船で日本に向かうとしましょう。磯野家から、港までが賭けの時間です。

あたしが港に着いて、本当にロシアから離れる前に、
君が迎えに来てくれたら、日本行きを断ろう。仕事もやめて君とずっと一緒にいよう。


まるで「卒業」のワンシーンですね。教会で結婚式の最中に花嫁をかっさらって逃げるアレ
花嫁は赤いリン。赤いレンを待ちわびながら、港へ敷かれたバージンロードを一歩ずつ歩いて行きます。
だからこそ、赤いリンは『走る 君は 美しく』感じたのです。
赤いリンの思いに応えて、迎えに来てくれた王子様。それが、赤いレン。
特別な感情をもって、赤いリンは「走る赤いレンの姿」を目に焼き付けたはずです。

ああ、やっぱり来てくれた。
思いが通じたのね。
ありがとう、もうどこへも行かないよ。
ずっと一緒にいようね。


なやみむようっ!!

ウエディングドレスならぬ、戦闘服をひるがえして駆け寄ろうとした赤いリン。
そこで悲劇は起こります。

どんどん冷えていく小さな体。
地面に血だまりがひろがっていきます。
人の生き死にを見続けた赤いリンには分かります。赤いレンがもう駄目だということが。
でも、敵は『壊すとみなしていた赤いリンも、赤いレンの死は、そうは思えなかった。
たった一つの命が、目の前で消えていくことで、
ロボット化していた赤いリンの心に再び血が通い始めたのです。


■戻れない道
編者が推測する、赤いリンの"賭け"を聞いて「なんかおかしくない?」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
赤いリンが日本に行くことは、プーチンじきじきの命令だよね?
当日になって「やーめた」なんて、そんな自分勝手なこと、できるはずないじゃない。
ごもっとも。

赤いリンもそこはもちろんわかっていたはずです。
後に、「ボーカロイドとしてよみがえらせてまで」リンを日本に送り込んだことからも、
その『仕事』は赤いリン以外のだれにも代えがたい仕事であることは述べたとおりです。
要は、プーチンに命令された時点で、赤いリンには選択肢がなかったのです。
日本に行く以外。

でも、赤いリンは"賭け"に出た。新しい選択肢を自ら作った。
賭けに勝って日本行きを断る、そして仕事をやめることは何を意味しているのか
それは、「死」ではないかと編者は考えます。
子供に人殺しをさせるような、そんな危険な組織から抜けることはただでさえ難しいでしょう。
しかも赤いリンは、彼女でしかできない『仕事』の情報を持っている。
仕事をやめることはさらに大変そうです。
現実問題、やめられたとしても身寄りのない赤いリンが生活していくのは厳しいはずです。

でも、『もうこんなことは嫌』なの。
赤いリンの「こころ」が叫びます。
叫びはやがて、一つの形になります。

誰かあたしを壊してよ』。

誰か』に選ばれたのが赤いレン。
赤いレンともう一度会えたら、自ら死んでしまおう。
不思議なことに「ぬすみはげどう?」での、レンの最後の台詞
嘘の世界で生きたくないよね? いいよ… 引き金を引こう さらば!
が"赤の時代"で見事な一致を見せています。
赤いリンは『嘘の世界』(=『冷たい世界』、ロシア)で生きづらさを感じている。
だから、自らの命を赤いレンに託した。
赤いレンは見事に応えた。『いいよ…
そして間接的ではあるが、赤いリンを殺す『引き金を引』いた。

さらば!

港へのバージンロードは、二度と戻って来ないと決心した道でもあったのです。


■赤いリンから見た悲劇
実際に『引き金を引』いたのは、組織の同胞(子供たち)です。
きっと彼らも、赤いリンと同様に敵を『壊す』のが役目であり、
生き死にに鈍感にならざるを得ない環境で育っているのではないかと推測します。

彼らは、自分たちと馴染まず犬とばかり一緒にいる赤いリンを、苦々しく思っていたはずです。
恐らく赤いリンは優秀な仕事人だと推測できますので、なおさらです。
赤いリンの日本行きが知らされてから、その気持ちに嫉妬が加わります。
いけすかないやつ。
あいつばかりいい思いをして。

いじめのようなことも行われたかもしれません。
ゆえに、さすがの赤いリンもロシアから『逃げる』という選択したのでしょう。

運命の日。
神妙な面持ちで港へ向かう赤いリン。
子供たちは気に入らない。
いじめられっこが転校するときのいじめっこの気持ちといった感じでしょうか。
リンがなにかへまをしないかと、目を皿のようにして見張っています。
黙ってただ歩き続ける赤いリン。遠巻きにする子供たち。

そこに躍り出たのが赤いレンです。
赤いリンの腹はここで決まります。日本行きはやめようと
美しい赤いレンの姿に胸がいっぱいになります。
ただ具合の悪いことに、組織のトレードマークである黄色いスカーフを盗んでいたのです。

飛んで火に入る夏の虫、とはまさにこのこと。
まず、追いかけてきた子供がスカーフを取り返そうと引っ張り合います。
黄色いスカーフを取り戻したら、赤いリンの監督不行届きを責めるつもりです。
でも、なかなかスカーフは取り戻せない。
赤いレンは、赤いリンの気持ちを察して「火事場のばか力」発揮中ですから当たり前です。
赤いリンははやし立てる子供たちに阻まれ、赤いレンの元へたどり着くことができません。
初めのうちはふざけていた子供たちも、赤いレンの強情ぶりに苛立ってきました。
業を煮やした一人の子供が銃を取り出します。
「どいてろ!」
銃声。
たまらずスカーフを離す赤いレン。
スカーフを取り戻して大喝采の子供たち。
さあ、どうやって赤いリンを責め立ててやろうか。
赤いレンの死など、誰も何も思っちゃいない。それが当たり前の世界だから。
所詮ただの犬だし。人だって簡単に死ぬ世界なんだぜ?
けれど、赤いリンひとりだけが違っていました。

赤いレンは大切な友達心の支え
そして、命をかけた賭けに応えてくれた王子様
SOSを発した赤いリンに、唯一手を差し伸べてくれた相手なのです。

その赤いレンを殺した『同胞』に、赤いリンは銃を向けます。
この行為は、ただ我を忘れて暴走したのではないと編者は考えます。
戦いの場において、感情に流され我を忘れることほど危険なことはないと思うからです。
常に冷静であるべし。優秀な赤いリンであれば百も承知でしょう。
けれど、赤いリンは味方であるはずの『同胞』を撃ちました。
驚いたのは子供たち。優等生の赤いリンが暴走した!と思う間もなく撃たれるのですから。

この行為は、覚悟の上での行為でしょう。
仲間を撃つなんてご法度中のご法度。殺されても文句は言えません。
でも、すでに「命を捨ててもいい」ことを決めていた赤いリンに、何も怖いものはありません
赤いレンのそばで銃を乱射する赤いリン。赤いレンに微笑みかけます。

君と一緒に死ねるなんて、本望だわ。
…みんな、死んじゃえ。


いっしょじゃない

赤いリンは無謀とも言える『同胞』との戦いで命を落とすことになります。

こうなると、手を下した子供がボカロレンによく似ているのは、
「レンの心象風景」で済まされないものがありますね。

ぬすみはげどう?

赤いリンを殺し、その記憶をリンに見せる(2度目の"殺し")のは、
同じ顔でなければならなかった。だから、鏡音レンは「あの顔」を持って誕生したのかもしれません。


■ほら、あたしを見て。
ここまでくると、レンが後悔し、自分を責めていた悲劇が全く違ったものに見えてくると思います。
起こるべくして起きた悲劇。赤いリンが望んでいた悲劇。
昔に繋がる今を、リンは丸ごと受け入れています。
久しぶりの公式絵は、「ボカロリン」の原点を象徴しています。
ボーカロイドであることを肯定しよう。
決断した過去
("赤の時代")を肯定しよう。
もがいた過去
(1部~2部「またあえたら☆」まで)を肯定しよう。
それらがあるから、今がある。

だからこそ、リンの歌声はかつてないほど優しいんです。

冷たい世界に本当はいたくなかったの。
だから、君を置いて逃げようとした。
でも、君はあたしの小さなSOSに気づいてくれた。
君が来てくれたとき、とってもうれしかった。
死なせてしまって、本当にごめんね。

同胞を撃っ』て、死を選んだことも、
みんなみんな
後悔してないにゃー☆
だって、今この世界で『また会えたんだもんね!

この世界は『平和』で、誰も傷つけなくていいんだよ。
あたしが『望んでいた 世界』なの。
君が連れてきてくれたんだね。

君がいるだけで、あたしは幸せなんだよ。
でも、『あたし 欲張りだからっ
君を振り向かせたくて、ミクのまねをして自分を捨てたりして。

あたしはただのボーカロイド
あんたもただのボーカロイド

そのままのあたしで、いいんだね。
そのままの君で、いいんだよ。

悩まないでいいんだよ。

ああ、なんて今のあたしは幸せなんだろう。
ありがとう。
ありがとう。



■内なる大人
うーん、きれいにまとめたかったのですが、波平さんが残ってしまいました。
リンはどう聴いても"磯野 波平"と紹介しているし、
神ラップをノリノリで披露している波平さんを無視するわけにはいきませんね。

サザエさん一家と言えば、"赤の時代"で赤いレンを預けた先です。
人付き合いの苦手そうな赤いリンですが、磯野家とは少なからず交流があったと推測できます。
赤いレンを任せるくらいですから、『同胞』たちよりもずっと信頼をしていたことでしょう。
その磯野家の家長が波平さん。
赤いリンにとっては、限りなく「お父さん」に近い存在
組織の上司、部下の関係とは別のところにある大人との関わり。
非常に貴重ですね。
磯野家も、元ネタに準拠するならば「オープンかつフレンドリー」な家庭なので、
少なからず赤いリンに心を砕いていたのではないでしょうか。

波平さんは、赤いリンの「内なる大人」を象徴していると編者は考えます。
ときには良心となり、ときには心のブレーキとなる。
波平さんの声で赤いリンに語りかけるけれど、実は赤いリン自身から出た言葉

全てを見』たことで、リンは結果、今をあるがまま受け入れることができました。
この圧倒的な幸福感は、今までのリンが感じたことのないものだったでしょう。
でも待てよ。
自分が「しあわせだわ!」と有頂天になっている時に限って、
いろんな奴らに邪魔されたんじゃなかったっけ?

で、
"こら!落ち着きなさい!みっともない♪"
と自分をいさめているとすると、非常におさまりがいいと思います。
(磯野家はロシアにあるはず。ラップの裏で歌っているリンのセリフは、現在のリンの心境なので)


■また、あえたら。
最後に一つだけ。
これは、全く根拠のない話です。こうだったらいいなと、編者が考えるお話。

粗塩で!』(「いっしょじゃない」)
流れる歌は 君と聴いた ミクの曲、懐かしいな』(「またあえたら☆」)、
で、リンレン共通の思い出がありましたね。
"赤の時代"で、赤いリンが赤いレンと一緒に、ラジオでミクの曲を聴いていた思い出です。
他にはほとんど語られることのない、「日常生活」の思い出。
ここで二人にとって重要な会話がされていたとしたら。






さて、いかがだったでしょうか。
リンがなぜ、レンを赦せたのか。あるがままのレンを肯定できたのか。
リンの本当に優しい声は、何を思ったら出せるのか。
いろいろ考えているうちに、だいぶ長くなってしまいましたorz

あと、最後の二人が交わした約束(ボーカロイドになる)も含めて
「望んでいた世界」だったら素敵なのに、と小話をうってしまいました。
小説なんて書いたこともないので、非常に恥ずかしいです。
小話が不快だと感じられる方は、文字色を変えて表記(反転)いたしますので
コメントください。

それでは、次の曲「みえないよるに。」もお付き合いいただけたらうれしいです。


≫「みえないよるに。」(動画&歌詞)

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COMMENTS

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2009-05-10 日 23:12:37 | | # [ 編集 ]

とんでもないです!
小話、とても感動しました…。

編者さんはいつも私のこと泣かせすぎですw
2009-06-13 土 15:38:36 | URL | 海 #- [ 編集 ]

>海様
こんばんは!コメントありがとうございます。
小話、気にいっていただけて本当にうれしいです。
感動…泣く…なんてそんな…こっちが泣きそうです!
すごく勇気を出して掲載したものなので、恐縮です。
これからも当ブログをよろしくお願いします!
2009-06-14 日 00:34:44 | URL | 編者 #- [ 編集 ]

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