FC2ブログ
2021 06123456789101112131415161718192021222324252627282930312021 08
TOP > 2部考察 > 【考察】「みえないよるに。」2部7曲目(15)を読み解く【その4】

【考察】「みえないよるに。」2部7曲目(15)を読み解く【その4】 2009.01.27[火]

動画&歌詞その1その2その3その3exその4その5

【個人的考察つづき
ようやく「パート」突入です。

レンパート「ぬすみはげどう?」、リンパート「なやみむようっ!!」は
1部2部の種明かしともいえる作品でしたが、
ミクパート「みえないよるに。」は3部へつながる重要な伏線がはられている(はずの)作品です。
謎は後の作品で明かされることを信じて、考察していきたいと思います。

その3exまでを読んでからご覧ください。


2部には、二組のカップルが登場しますね。
リンとレン、そしてミクとドナルドです。

レンが昔の記憶を取り戻し、苦悩する。打開策として、リンに『全てを見せる』ことを決意。
リンは過去を知り、あるがままのレンを受け入れ、レンの罪を赦す。
ここまでが前作でした。
この出来事は、もうひと組のカップル、ミクとドナルドにとってどのような意味をなしているのでしょうか。


■続・こそあど言葉
まず注目していただきたいのは、ミクの言葉です。
君=ドナルドへの語りかけ、そして指示語の多さ。この特徴は、「なやみむようっ!!」と共通ですね。
(→参考:こそあど言葉
リンにとっての君=レンであったように、リンとレン/ミクとドナルド鏡合わせのような関係にあります。
ミクとドナルドの「パート」は、リンがレンの呼び出しに応じた頃に並行して始まります。
指示語を読み解いて「二人(ミクとドナルド)から見たふたり(リンとレン)」を見ていくことにしましょう。



考察では便宜上、「リンが"絶望の歌"を歌うこと」は、
リンにとっては望まない未来(ゲームオーバー)であり、
ドナルドとミクにとっては最後のチャンスだと定義します。
"絶望の歌"を歌うこと、それは真に何を示すのか。"絶望の歌"に何が込められているのか。
詳しくは「きえないひとみ。」「おしまいだぜ!」の考察で明かしていきたいと思います。


■歌をきかせて
ドナルドは、リンが『無垢なマシンガン』であってほしいと望み、
リンが"絶望の歌"を歌うことを望んでいた

しかし、ドナルドはリンから『離されて』しまったと、ミクは語ります。
"誰"が離したのかは、実はよくわかりません。
リンが自ら薬物を断ち切ること、ドナルドを拒否することが
すなわち『離され』るという表現になったのかもしれませんし、
リンではない別の力が、リンからドナルドを引き離したともとることができます。

(※ネタばれ御免!反転します)
3部「なにもないもの。」で廃人寸前のミクが『でもあの子は 分けられたの
『「こわすもの」と 「ぬすむもの」と彼… 誰かに「つたえるもの」に』と発言しています。
「夜パート」の台詞からは、ミクは我々の預かり知らない(レンさえも知らない)
リンと"プーチンP世界"の秘密を知っているらしいことがわかります。
(要は、ミクのセリフは重要な手がかりだということです)
無垢なマシンガン』は、「こわすもの」・「ぬすむもの」・「つたえるもの」に『分けられた』。

「別の力」の存在をひしひしと感じますね。

離され』ることは、ドナルドにとってあまり好ましくない状態だったようです。
2部のドナルドの足跡をたどると、
まず、リンのコンプレックスの源である初音ミクに近づきました。
レンに振られてどん底のリンに、ミクをけしかけました。
(ミクは、この頃に『私はただの道具?』と不安を吐露しています)
そして今回明かされる新事実は、『レン(犬)に 近付いて たぶらかした...』という行動。
これは何を指すか。レンに何をささやいたのでしょうか。
記憶戻しても』と続いているので、レンがリンに『全てを見せ』たことに関係しているでしょう。
しかし、リンの『記憶戻しても』ドナルドが苦境に立たされている現在の状況は『変わらず』でした。
リンは、赤の時代の記憶によってある意味正しく救われたのですから。

では、どこまでがドナルドの想定内で、どこからが想定外だったのでしょうか。
何にしても、『あの歌』は聴こえなかった。
少なくともリンが「なやみむようっ!!」となることは想定の範囲外だったと考えることができます。
その詳細は後ほど論じることにしましょう。


■正常化
先ほど、ドナルドにとってリンから『離され』ることはあまり好ましくない状態だと述べましたが、
離されて』も状況が好転する最後のチャンスが"絶望の歌"だったのでしょう。
"絶望の歌"を望んでいた二人でしたが、歌は歌われることはありませんでした
歌の響かない未来は、ドナルドとミクにとってあまりにも残酷な今。
ミクはつぶやきます。

「正常化」終わった頃 君は消えてしまうのね?

このことは、二人ともが分かっていたことだったようです。
ミクは、この結末を覚悟して『今日』を迎えたといえるでしょう。
パート」のミクは無理にはしゃいでいるように感じられませんか?
だからミクはドナルドを初めてのデートに誘い、
だからドナルドはミクの目を見ることができず、
ミクはドナルドの気持ちがわかるから、怒れなかった。
今日だけは 帰さないんだからっ!
今日は、あなたと過ごす最後の日になるかもしれない。
だから今日だけは一緒にいさせて…。


「正常化」』、という言葉は初めて登場しましたね。
「何」が「どういう(異常な)状態」から「ある(正常な)状態」になるのかははっきりと説明されていません。
推測にすぎませんが、編者はこう考えます。
正常化とは、「リン」が「今までの状態」から「「なやみむようっ!!」の状態」になることである。
今までの状態は、偽りのロシア時代の記憶を持ち、
それゆえに精神的に不安定で"絶望の歌"を歌う可能性を秘めていました。
いつでもゲームオーバーになる危険があったということです。
しかし、「なやみむようっ!!」で過去を肯定し、あるがままの自分を受け入れたリン。
今のリンに"絶望の歌"は似合わない。"絶望の歌"を歌う可能性を自ら消し去りました。
この状態が『「正常化」』。
リンは困難を乗り越え、"プーチンP世界"のゲームをクリアしたと言えるでしょう。

"絶望の歌"を歌わせることがドナルドとミク、二人のクリア条件でした。
リンに先にクリアされて、かつ自分たちのクリア条件がなくなってしまった。
それはすなわち二人のゲームオーバーを意味します。
ゲームは終わった。さよならの時間。
"ゲーム"の中でしか存在できないドナルドは、消えるほかない。


わたし、気持ち分かるわ...
ボーカロイドは、記憶の消去や改ざんが日常的に行われているであろうと、編者は以前述べました。
(→参考:手のひらからこぼれおちていく
記憶とは自分自身の拠りどころのはず。
そのよりどころが、小さな幸せの積み重ねが、自分ではない他人の手で消し去られていく。
それはまさに、自分が消えてしまうことにも等しいことではないでしょうか。
けれども、ボーカロイドである以上はその行為に逆らえない。
ミクは誰よりもボーカロイドであることを呪っていたのかもしれません。

アメリカの話聞いて 君の事、分かってきた』この意味は今のところ明かされていませんが、
ドナルドもまた、ドナルド自身の意志とは関係なく『消えてしま』わざるをえないのではないでしょうか。
他人の手によって。
ミクはドナルドと自分の境遇を重ね合わせ、自分たちの運命を悲しんでいるのです。


■また、逢いたい
ここでミクの発言に一筋の光が射します。
あきらめない わたし捜す 君に またね 逢えるはずよ☆
ドナルドが消えてしまうことは、今の二人では変えられようのない事実です。
でも、『あきらめない
ミクはドナルドと交わした『アメリカの話』とドナルドへの理解によって
もう一度ドナルドに会える方法が見出せたのかもしれません。
または、消えていくドナルドを励ましたくて根拠のない話をしているのかもしれません。
または、崩れ落ちてしまいそうな自分自身を奮い立たせるために
(※一応ネタばれ御免!反転します)
3部「なにもないもの。」の次回予告、「またあえたね☆」。
まだ発表はされていませんが(2009/01/27現在)、
この題名はミクの言葉に呼応しているといいなと思います。



リンの「正常化」は、リンとレンにとっての救いでした。
しかし、ドナルドとミクにとってはゲームオーバー
別れの時間がすぐそこまで迫っています。


あと少しだけ、続きます≫その5

関連記事

COMMENTS

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する
«  | ホーム |  »