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【考察】「みえないよるに。」2部7曲目(15)を読み解く【その5】 2009.01.29[木]

動画&歌詞その1その2その3その3exその4その5

【個人的考察】つづき
「みえないよるに。」やっと最後の部分まで論じることができそうです。
その4までを読んでからご覧ください。


「みえないよるに。」で浮かび上がってくるのは、ミクの悲しみだけではありません。
2つの力の対立構造と、敗者にならざるを得なかった者たちの慟哭が描かれています。

■世界は「あなた」と「わたし」でできている
2つの力、まずおさらいしてみましょう。

ここで述べた「2つの力」は必ずしも常に「対立」しているわけではありません。
ドナルドのリンへの執着は、母に反抗して、それでも離れられない子供のようです。
ミクのリンへの気持ちも、どこか「うらやましい」と感じているようにも見えます。
レンに至っては、恋い慕う気持ちと離れたい気持ちが拮抗して自分を追い込んでしまいました。


■太陽に月は背いて
プーチンPの連作(1部2部)は、「リンが主役の、リンの物語」です。
リンを中心に"プーチンP世界"は回る。
リンは太陽で、他の登場人物たちはその周りをまわる惑星だと言えましょう。
「みえないよるに。」に出てくる『』は、ミクが"月"と自分自身を重ね合わせているのではないかと編者は考えます。

リンが太陽で、惑星(この場合、地球でしょうか)がドナルド。惑星の周りを巡る小さな衛星がミク。
太陽はあまりに大きく、月はあまりにも小さい存在。
太陽は自ら輝くことができるが、月は太陽の光を受けないと輝くことができない
明るい昼の太陽、暗い夜の月。
太陽と月は並列して表現されることが多いですが、本当は力があまりにも違います。
その力の差も踏まえ、リン(太陽)に対する無力感をミクは月として歌っているのでしょう。

「昼パート」の『お日様も眩しがって逃げたっ!』は、太陽を単に擬人化して(ミクとドナルドのラブラブぶりに)『眩しがって逃げたっ!』ととることもできますが、
太陽=リンの象徴と考えると、リンがミクの輝きに負けて"絶望の歌"を歌う「願望」を述べているのかもしれません。
しかし、その願望は実現されず、『おしまいが 来ない』。月は太陽に勝つことができなかった。
リンがもたらす光。しかし、ミクにとっては『望まない光』。

また、『シラタキ』は、鍋物によく入る食材。ネギともよく顔を合わせますね。
坊主(ネギ)憎けりゃ袈裟(シラタキ)まで憎い、といった意味ではないかと考えます。
以前述べたとおり、ネギは「アイドル・初音ミク」を象徴するものです。
「またあえたら☆」で「アイドル・初音ミク」に対して後ろ向きな発言をしていたことからも、(→参考:同調
アイドルである自分自身を憎んでいることがうかがえます。
補足解釈込みでまとめます。

リンがもたらすのは明るい未来かもしれないけれど、
私はその明るさなんて望んでいないわ。
だって、あなたがいなくなってしまうから。
アイドルで輝いてなんていたくない。
みんなのミクでいたくない。あなたのミクでいたいの。
太陽がいなければ月は輝けない。でもね、『月は光ること 望んでるの?

1番手だけれど、主役になれない。大切な人の1番になれない。
「アイドルだから、みんなの1番」?意味ないの。あなたの1番じゃなきゃ意味ないの…



■泣かないで恋心よ
ミクが泣くこと。
"プーチンP世界"において、このことは重要な意味を持っているようです。

泣いたのは二回目よ』、どこから数えて二回目なのでしょう。そして一回目は?
一回目は恐らく、「またあえたら☆」の最後の部分。
またあえたら☆
(この絵の差分が後半(3:20頃)に出てきます)

レンがリンに『全てを見せ』た直後です。リンが「なやみむようっ!!」状態になる直前。
預言者ミクが語る言葉にミクは涙を流します。

二人また会えるなら☆ きっと幸せ☆』は、
リンが赤の時代の記憶を受け入れて、真にレンと出会うことを指しているでしょう。
どんな世界にいても』、"プーチンP世界"の東京にいる現実、これは変わらない
薬で現実逃避したかった「現実」と同じ。しかし、すべてを受け入れたリンならば、
どんな世界にいても 心震える…

ドナルドとミクの"ゲーム"、終了のお知らせ。

そして今回。
きえないひとみ。

ドナルドにすがりつき、涙を流すミク。
ドナルドが目の前で消えていく。
一回目が不治の病を宣告されたときだとすると、二回目は容体が急変したとき。
リンの勝利はドナルドの敗北。
平和な世界はミクの望まない未来。


ミクは、未来が変わるときに涙を流すのかもしれません。


■最後の言葉
「夜パート」の後半は、ドナルドの"大好きなんだ...""もちろんさ..."で埋め尽くされています。
ミクの言った『最後までささやいて! 大好きと...』を彼は守ったのでしょう。
優しく、切ない言葉。
ミクに対するドナルドは、感情をもったひとりの人間であるかのようです。
ドナルドに心や意思があるかどうか、本当のところは分かりませんが、
ミクがドナルドに傾倒していくにつれて、彼もミクにを開いていったように思えます。

当初、リンを揺さぶる『道具』として、ドナルドはミクに近づいたのかもしれません。
ミクを口説くのも作戦のうち。すれたアイドルのミクとなら、ドライな共同戦線を張れるだろう。薬で楽しい幻覚さえ見せれば。
しかし、ミクはドナルドが考えていたよりもずっと純情でした。
ミクはドナルドに本気で恋をしてしまったのです。
誰かに愛される、これは、自分自身を肯定されること。
ここにいてもいいんだよ。私のそばにいてほしい。
ミクの愛はドナルドを変化させたのでしょう。

ドナルドもまた、リンと同じように、"誰か"の目的のために作り出されたのだと編者は考えます。
目的は、リンに"絶望の歌"を歌わせること
ドナルドの意志ではなく、"誰か"の意志。
しかし、ミクとの蜜月を過ごすうち、彼もまた道具』であることに疑問を持つようになっていたのかもしれません。
ミクとの最後のデートは、"絶望の歌"を歌わせることとはもはや関係がありません。

レンがリンに『全てを見せる』ときに、ドナルドはその場にいなかった。
告白騒動の時のように、リンが暴走する可能性だってあったはずです。
そこをついて、リンを揺さぶることが最後にして最大のチャンスだったはずです。
でも、ドナルドはミクを選んだ。
最後のデートは、ドナルドの意志。
最後の瞬間に、ミクと一緒にいることを彼は選んだのです。

"大好きなんだ..."は、ミクを操る方便ではなくて、彼がミクに伝えたかった言葉。
ミクは別れに涙を流すけれど、ドナルドは笑っています。
何で君は笑えるの?』、ミクは言います。
けれども、ドナルドは満足だったことでしょう。
"誰か"の手で作り出された『道具』としての自分を、愛してくれるミクに出会えたこと。
ミクに出会って初めて知った感情、幸せな気持ち。
消えゆく言葉、ノイズが混じって聞き取りづらくなってもドナルドはささやくことをやめません。

ありがとう、愛してくれて。君に出会えて本当によかった。
君が本当に大好きだよ…。




"プツッ"
二人の世界は、暗転しました。




さて、「みえないよるに。」考察いかがだったでしょうか。
ドナルドの最後のセリフは、ミクの幻聴だった(ミクだけが空回りしていた)という解釈もあるのですが、
編者は「ドナルドもミクを愛していた」と考えました。
考えたい、と言ったほうが正しいでしょうか。
作られたモノたちにも「こころ」はあってほしいと思いませんか。

ミクが望んでいたのは、小さな小さなこと。
彼と一緒にいたい。ただそれだけ。
でも、ミクの望んだ世界はここになかった。彼は消えてしまった。

ちょっとコラムをはさむ予定ですが、
2部最終回「きえないひとみ。」もどうぞお付き合いくださいませ。


≫「きえないひとみ。」(動画&歌詞)

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2010.10.21 23:15 | ハッピーエンドの向こう側
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