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【コラム】"プーチンP世界"の見えない糸 2009.01.30[金]

コラムでは、複数の作品を取り上げ、
その中のキーワードから"プーチンP世界"をのぞいていきます。

今回のテーマは「代理戦争」。
誰のために、リンとドナルドは戦っていたのか。
二人の背景には何があるのか。二人を操っていた力は何か。
そして、対立する2つの力とは。

1、2部作品巡回推奨!
解明してないところもたくさんありますが、どうぞお付き合いください。


■マリオネット
プーチンPの連作、1部2部において大きな柱になっていたのが「リンとドナルドの戦い」でしょう。

「みえないよるに。」の考察でも述べましたが、(→詳細:歌をきかせて
ドナルドの目的は、リンに"絶望の歌"を歌わせること。
リンは、ドナルドの目的を知っていた様子はありませんでしたが、自分とレン、二人のために
薬を断ち切り自ら前を向くことを選択しました。
リンの心の動きは、"絶望の歌"を歌うこととは逆のベクトルですね。
ということで、リンは図らずもドナルドと対立してしまうことになりました。

1部でドナルドは、"売人ドナルド"や"ドナルド状態のレン"そして幻覚としてのドナルドとして、
薬物へ誘惑したり、トラウマを刺激したり。手をかえ品をかえ姿を変えてリンを揺さぶりました。
また、ドナルドはレンを操り、赤の時代の記憶を取り戻させたりしましたね。
それらドナルドの攻撃に屈することはなく、リンの勝利によって1部は終結しました。

しかし、ドナルドは消えていませんでした。今までの方法では、リンに勝つことはできない。
2部でドナルドは協力者を得ます。それが初音ミク。
2部は、表面的にはリンとミクの「女の争い」がクローズアップされています。
ドナルドはミクを操り、リンのコンプレックスを刺激します。
また、告白騒動でリンがすがっていた「先生」・「おまじない」は田代と「ミニにタコ」でした。
田代氏が薬物中毒者だったことを加味すると、ドナルドは田代をも操っていたと言えるでしょう。

ドナルドは実体を持たない。
だから、いろいろな人物に取り入りその人を操ることで目的を果たそうとしたといえるでしょう。
ミクレン田代などを操る人形師としてのドナルドが見えてきます。


■攻防戦
それでは、リンを操る人形師は存在するのでしょうか。
ここで注目したのが"うp主"(底辺P)の存在です。
「またあえたら☆」の考察で、編者は述べました。(→参考:猿と猿回し
うp主が、「レンの記憶すりかえ」に一枚かんでいるのではないか。
リンがレンの初期化をして、レンがリンのカバンと間違えてうp主のカバンを盗み出す。
かばんに入っていた記憶は、初期化前のレンの記憶ではなく、赤の時代の記憶だった。
レンは苦悩し、リンに『全てを見せる』ことを決心する。
これが、うp主の仕組んだことだったとしたらどうでしょう。
レンはリン側にもドナルド側にも属さないジョーカー的な役割で、
うp主はリンだけではなくレンも操ることができるとしたら…。

でも…、ドナルドもレンに記憶を取り戻させようと『近付いて たぶらかした...』んだよね?
まさかドナルド=うp主ってこと?

編者はドナルド=うp主とは思っていません。(本当のところ、自信はないのですが…)
ドナルドとうp主はむしろ敵対関係にあったのではないかと考えます。
その根拠が『「正常化」』という言葉です。
「正常化」と「おしまいだぜ!」("絶望の歌"を歌うリン)が対極にある状態だと仮定して、
ドナルドとうp主の攻防を追っていきましょう。


1.ゲームの始まり
ドナルドは、リンに"絶望の歌"を歌わせるのが目標。
うp主は、リンを「正常化」するのが目標。"絶望の歌"はゲームオーバーです。

1部のリンレンは非常に不安定な状態にありました。
二人とも薬物に耽溺して、ドナルドに対して無防備でした。
ドナルドは、トラウマをつつくことでリンを暴走させ、"絶望の歌"を歌わせようとしていました。
しかし、うp主がそこに立ちはだかります。

うp主は、「リンがレンを大切に思う気持ち」(トリガとしてのレン)を利用することを思いつきます。
まず外堀から埋めようと考えたのです。
レンが薬と男に溺れてひどい状況にあることを認識させることで(「ちょこあげる!」)、
リンが自ら薬をやめることを狙いました。
そして、リンにレンを初期化させます(「さくらのしたで☆」)。
レンがリンの言いなりになれば、リンの精神も安定して暴走することはなくなると考えたからです。

そうはさせじとドナルドが動きます。
言いなりになると思ったレンが、リンを裏切って薬に走ればリンへの衝撃は計り知れない。
暴走し、"絶望の歌"を歌うかもしれないと。
ドナルドはレンを『たぶらかし』ます。
リンを襲って、カバンを奪え。お前のほしがっていた記憶はそこにある。
ドナルドに言われるがまま、(ドナルド状態の)レンは(恐らくリンを襲って)、カバンを盗み出します。(「おなわをちょーだいっ!!」)

ドナルドの誤算は二つありました。
一つはリンが暴走することなく立ちあがったこと。
そして、もう一つはレンの取り戻した記憶が、赤の時代の記憶だったことです。
薬と男に溺れるボカロレンではない、赤いレンの「こころ」にレンは支配されてしまいます。
レンは衝撃を受け、「いっしょじゃない」まで心情を語ることはありませんでした。

赤の時代の記憶を管理していたのは、うp主でしょう。『うp主のバッグ』と言っていますから。
レンが初期化され、リンの言いなりになればそれでよし。リンは満たされるだろう。
レンが反抗するならば、必ず記憶を求めるはずだ。その記憶は赤の時代のものにすり替えておこう。
なぜ、赤の時代の記憶をレンに見せようと思ったのかまではわかりません。
ただ、リンのカバンと、赤の時代の記憶が入ったうp主のカバンはよく似ていた。
これは事実。
レンが間違えるよう、わざと紛らわしいカバンに記憶を入れていたと考えてもおかしくありません。
赤の時代の記憶=レンの罪の記憶です。
もしかしたら、うp主はレンに罪悪感を植え付けて、レンをリンに逆らえないようにしようと考えたのかもしれません。


2.ゲームは続く
さてさて、そんな中で2部が始まります。
レンは記憶を取り戻し、沈み込みます。
リンは『現実見つめて 幸せつかむの』とばかり、非常に安定した日々を送っています。(「まほうはじゃどう」)
うp主優勢、ドナルドは反撃の糸口を探します。

ドナルドが見出したのがミクでした。
先ほど述べたとおり、ミクはリンの「コンプレックスの源」です。
ミクがいるから2番手で、レンにも振り向いてもらえない。
レンを除けば、ミクはリンを揺さぶることのできる数少ない人物と言えるでしょう。
ミクもドナルドに興味を持ち、ここで二人の共同戦線が張られることになります。

そして持ちあがった告白騒動。(「けっせんとうじつ!」)
うp主としては、思ってもみなかった方向に物事が動きだします。
レンが、リンの告白を断ったのです。
うp主の読みでは、赤いレンの赤いリンへの思慕・罪悪感で、
レンはリンの告白を断ることはできないだろうと踏んでいたのですから。
これはドナルドにたぶらかされたわけでもない、レンの本当の気持ちでしょう。
「またあえたら☆」でレンが『二人でここから消えよう 底辺Pから逃げよう』と言っているように、
レンはうp主の動きに何かしらを感じ、うp主を警戒しています。
これはすなわち、うp主がレンを思いのままに操ることができなくなったことを意味します。

このレンの行動はもちろん、ドナルドも予想だにしなかったことだと思います。
恐るべき計画性を持ったうp主にも、
実在しない存在であるがゆえに、リンレンの様子を逐一観察できるドナルドにも
レンの『「こころ」までは読めない』のだということがわかります。
と言っても、うp主がレンに手を出せなくなったことは、ドナルドにとって大チャンス。
しかも、リンはレンに振られた衝撃で、未だかつてない暴走を見せたのですから。

けれどもリンの暴走は"絶望の歌"を歌うまでには至りませんでした。
悔しがってもしょうがない。ドナルドはミクを使ってリンを追い込む作戦に出ました。
ミクはリンを嘲笑い、挑発します。(「いっしょじゃない」)
リンはその挑発には乗らず、逆に赤の時代の記憶を浮かび上がらせます。


3.彼らの知っているもの、知らないもの
赤いリンがボーカロイド・鏡音リンになるときに消去されたはずの記憶。
赤の時代が、(暴走を経てにせよ)リン一人の力によってよみがえった。
これに関しては、いまだ謎の部分が多いです。
ドナルドは、どこまで把握していたのでしょうか。
リンの過去=赤いリンだったことは恐らく知っていたことでしょう。
鏡音リンになるときに記憶を改変されたことも、多分把握していたはず。
しかし、リンが「いっしょじゃない」の時点で消去されたはずの記憶を取り戻しつつあったことは
知らなかったのではないでしょうか。

同じことがうp主にも言えます。
「またあえたら☆」前後でレンに警戒されて以来、
うp主はリンたちの登場する「表舞台」から姿を消してしまいます。
うp主ができることは、
リンレンを「直接操る」のではなく、リンレンに「気づかれることなく」彼らの行動を誘導することのみのようです。

以上を踏まえて、ドナルドとうp主の"ゲーム"がそれぞれどのようなルールを持っていたのかをまとめてみましょう。

【ドナルド】

【うp主】

このような感じでしょうか。
後半うp主の動きがなくなったのは、リンレンへの見えない誘導をやりきったのか。
糸の切れた凧のようにコントロール不能になったのか。
レンの「こころ」という不確定要素が入ってから、ドナルドとうp主の動きは鈍くなります。


4.JOKER
不確定要素。それは、操り人形であったはずのレンやミクの「こころ」に他なりません。
それぞれがそれぞれの幸せを求めてもがくのは、当たり前のこと。
他人がそれに干渉するのはおこがましいこと。罪と言ってもいいかもしれません。

ともあれ、苦悩したレンはリンに『全てを見せる』ことを決意します。
この部分はドナルドとうp主の思惑が交錯しています。

ここで気になるのが、そのドナルドとうp主の思惑が「基本ルール」に則っていないことです。
二人とも、「リンが記憶を取り戻す」ことを期待しているからです。
リンが赤の時代の記憶を取り戻すということは、両刃の剣ではないでしょうか。
リンの感情を決定づけることはできそうです。
しかし、リンが"絶望の歌"を歌うか「正常化」するか、それはリンの「こころ」一つで決まる。
あまりに危険な賭けです。
しかも、なぜか互いが互いらしからぬ行動を取っています。

本当のところは謎のままですが、
二人とも「こころ」という不確定要素に触れて、彼ら自身が変化したのかもしれません。
うp主は、リンとレンが引き合う力を信じたのかもしれない。
ドナルドは、"絶望の歌"を歌わせることに疑問を感じたのかもしれない。
特に、ドナルドはミクに「おしまい」が来ることを望まなかったとしたらどうでしょう。
"絶望の歌"は、"プーチンP世界"そのものに影響を与えかねない力を持っているようです。
歌が聞こえる=ミクにも「おしまい」が来る。
道具』としてではない自分を愛してくれたミクに、生きていてほしい。
そのためには、リンは「正常化」してもらわなければならない。
例え、そうすることで、自分自身が消えてしまっても。


■見えない糸は天まで続く
リンやレン、ミクを「操る」人形師としてのドナルドとうp主。
彼ら自身もまた、「操られる」人形だと編者は考えます。
操るのは、見えない力
工場という場所、プーチンという人物、そしてロシアとアメリカ。
それぞれが何を指し、どのような意図をもって人形師たちを操っているのかは謎のままです。

「なにもないもの。」で、
リンが『分けられた』ことも、『誰かが手を加えて 世界を壊していた』ことも、
見えない力の存在を示す証拠になりうると考えます。
3部で全貌が明らかになるのか、楽しみなところです。
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